こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
せっかく考えた提案が採用されないと、ションボリですよね~
そうだね、結構断られるんだよね。もっと採用されやすくなる方法はないかね。。。
あるよ。ちょっとしたことを意識するだけで採用されやすくなるよ。
ホントに?!それって社内でやりたいことを提案した時にも使える?
使えるね!そういう提案いいね。
では、社内外で企画の提案や自分のアイディアが採用されやすくなるための方法について考えてみましょう。
- 提案したことが採用されない理由
- 提案したことが採用されやすくなるために必要なこと
- 提案を行うために大切にしたい考え方
採用されない理由とは
どうやったら採用率を上げるかを考えるにあたり、逆に採用されない理由から考えてみましょう。
もし自分が提案をされる側だったとして、どんな提案の時に断りますか?
うーん、そうだな~
お金がたくさんかかるものとか、、あ、でもそれ以上に効果があるなら考える余地はあるか。。。
そうですね、それは費用対効果の小さいものは断られやすいということですね。それから時間対効果が小さいのも同じですね。
その他には、時間の余裕がない時や、判断する情報が足りない場合なども、時間がないから、よく分からないから結構です、と断られたりします。
これらをまとめると以下のようになります。
提案が採用されない理由
- かける費用や時間に対して効果やメリットが小さい
- 判断するための情報が足りない
- その提案の検討、実施にかける時間の余裕がない
これらの採用されない理由を元に対策を考えると以下の4点になります。
採用率を上げるためにすること
- 相手目線で提案の効果・メリットを伝える
- 判断するための情報を揃える
- 相手に手間をかけさせない、面倒だと思わせない
- オリジナルプレゼンを作る
ひとつずつ見ていきましょう。
相手目線で提案の効果・メリットを伝える
かける費用や時間に対してメリットを感じてもらうということがまず第一ですね。
あらためて相手の視点で提案内容を見て、かける費用や時間に見合ったメリットであるか確認してみましょう。
客先でも何か売上アップやスキルアップにつながる施策は必要です。ですから外部からの提案はありがたいはずです。それなのに断られてしまうのは、顧客目線の提案ができていない場合が多いです。
どんな点が一番響くかは分からないので、メリットはひとつではなく、様々な視点でいくつか用意しておいた方が良いです。
社内の提案でも同じです。自分の提案が会社にとってどんなメリットがあるのかを分かりやすく伝えることが重要です。
単なる不満や要望だと思われないようにしないと話を聞いてもらえません。
当たり前のことですが、あらためて相手目線で考えて、費用対効果、時間対効果の高いメリットが伝えられるようにしましょう。
例えばこんなことがメリットにならないか考えてみてください。
- 顧客の新規開拓につながる
- 既存顧客のリピートにつながる
- 自社の認知度向上につながる
- 自社の信頼度アップにつながる
- 社員の能力向上につながる
- 営業活動に生かせる知識が身に付く
- 社員のモチベーション向上につながる
- 社員のコミュニケーション向上
- コスト削減につながる
- 業務効率向上につながる
- これらのメリットを複合的に得られる
判断するための情報を揃える
提案の良しあしを判断するための材料が少なければその場で判断して採用することは難しいですよね。
よく分からないからいいや、と断ることは容易に想像できます。
ですから、判断するために必要な情報を揃えることが基本です。
どんな情報かは、提案を聞いた人がさらに上司に話をする時に必要そうなことを考えると出てきます。
判断するための情報
- 提案のメリット、効果
- かかる費用
- 実施までに必要な時間
- 他社の事例
- 相手にお願いする役割
1~3は分かるけど、4.他社の事例と5.相手にお願いする役割って必要なの?
4.の他社の事例は、会社にもよると思いますが、『どこどこの会社もやっていてうまくいっているから』が効果を発揮する会社ってありませんか?
前例がないことに対して無条件に消極的になる人(会社)もいます。そのハードルを下げる効果がありますので試してみると良いです。
5.の相手にお願いする役割は、話を聞いた相手にどれくらいの負荷がかかるのかを伝えるためです。負担が大きいのかなととられるとその段階で断られる場合がありますので、そう感じさせないように伝える必要があります。
次の項目で詳しく説明しますね。
相手に手間をかけさせない、面倒だと思わせない
どんなに会社にとって有益な提案も、窓口となって聞いてくれた人にとって面倒なことであればその先に話が進むことはありません。
たしかに・・・
まずここが第一関門なんです。その窓口の人を味方につける必要があります。そのためには、その相手にできるだけ手間をかけさせない工夫が必要なんですね。
人が面倒だなと思うことはいつくつかありますが、資料作りなどの作業の他、考えること自体も含まれているんです。考えなければならないことをついつい後回しにしたりしますよね。
人間は考えるということを面倒だと感じます。
ですから、できるだけ考えなくてもいいようにしてあげることも面倒だと思わせないポイントなんです。
では面倒だと思わせないために具体的にやることをお伝えします。
社内で説明に使える資料を用意する
話を聞いてくれた人は次にどんな行動をすると思う?
えーと、決定権のある人に相談する・・・かな?
そうですね。
決定権のある人に直接話をしていた場合は、その人は社内に実施することを伝えるということになりますね。
ではそんな時、どうやったら社内で相談したり説明したりしやすいですか?
うーん、説明用の資料があったらいいな。。
そうですね。説明用のプレゼン資料は、相手に説明する時にも役立ちますし、その相手が社内に話をする時にも役立つんです。
もしその資料が無かったら社内で話をするのが面倒になりませんか?その結果、断ることにつながったりするわけです。
誰もが面倒なことはしたくないんですよね。
ですので、できるだけ面倒なことをさせないように、次の行動のためにできることはしておいてあげると採用のハードルが下がります。
紙の資料を使って説明した場合は、後からデータを添付して簡単な説明を本文に入れてメールを送ると良いです。話を聞いてくれた人はそのメールを転送することもできるのでラクですね。
この、相手が次に何をするか考えて、やりやすいように準備をしておくという考え方はどこでも使えます。それができる人とは仕事がしやすいですよね。
できるだけ詳細まで決めておく
これは状況や提案の大きさにもよるのですが、あまり大きな企画以外は「大まかにはこんな内容ですが、ご希望ありますか?」と考えてもらうのではなく、あらかじめ詳細まで決めて、「こんな提案ですがいかがでしょうか。」という提案にした方が良いということです。
先ほどお伝えした通り、人は考えることを面倒だと感じるので、考えなくてもいいようにしてあげます。
何もないところから考えるのではなく、ベースのものがあって、ここはこうした方がいい、ああした方がいいという方が意見を言いやすいという経験、ありますよね。
それと同じです。相手にわざわざ考えるという行為をさせないよう、意見だけもらうというスタンスの方が提案も採用されやすいですし、その後の進捗もスムーズです。
相手へのお願い、役割を明確にしておく
やりたいことは分かったけど、で、私は何をすればいいの?
やること多いならめんどくさいからやりたくないんだけど。
こんな風に考える人がいますよね。
提案される相手は、自社のプラスになることはやりたいけれど、面倒なことはしたくないという気持ちがあるはずです。
あらかじめ「あなたにお願いしたいことはこれ(だけ)です」と伝えておくことで、面倒なことが降りかかるのではないかという不安を無くし、よく分からないけど面倒そうだから断るということを防止できます。
相手の役割と次のアクションを明確にして伝えるようにしましょう。
オリジナルプレゼン資料を作る
最後はこれまでの内容をふまえてオリジナルプレゼン資料を作るということです。
提案をする時にプレゼン資料を作っていますか?
あ、えーとえーとえーとえーと・・・
まずは話をするだけでいいかな~と思って・・・
原因はそこだね。
そうなの。面倒で・・・後からでいいかなと。。
まず話をしてみて、感触が良かったら詳しい資料を作ればいいかな、と考えていませんか?または、あり合わせの資料をかき集めて使っていませんか?
私の経験上ではその方法だと提案は採用されにくいですね。
言葉だけの説明だと、どんな提案なのかのイメージが付きにくく、詳しく検討することまで考えられませんよね。あり合わせ資料の寄せ集めもそれに近いです。
相手は、話を聞いてちょっといいかもと思っても詳細が分からないとその場で判断できず、後から考えて決定することになります。最初の提案から時間を空けるとなんだか面倒になってしまい、断るというケースです。
せっかく時間をとってもらっているので、その時間を大切に、手間を惜しまず一度で伝わるような資料を用意しましょう。
ものすごく作り込んだ資料でなくても大丈夫ですので、先ほどお伝えした「判断するための情報」を入れるようにします。
そんなオリジナル資料を用意するメリットは大きく4つあります。
- 相手が理解しやすい(提案内容を整理して伝え、イメージしやすくできる)
- 判断に必要な情報を漏れなく伝えられる
- 相手が伝達する時の手間が省け、正確に伝えられる
- 相手に真剣さが伝わる
これらの結果、採用されやすくなるということですね。
1つ目は当たり前のことですね。言葉だけよりも資料を見ながらの方が理解しやすく、後から見返すこともできます。
2つ目は、伝えるべきことを順序だてて全て伝えるためです。口頭だと本来話すべきことが抜けてしまったり、話す順番が適切でないことで伝わりにくくなったりするので、その予防になります。
3つ目には、話を聞いてくれた人の手間を減らし、伝えるべき人に正確に情報を伝えるためです。
話を聞いてくれた人の他に決定権がある人がいる場合、社内で伝えなければなりません。口頭で伝えたことを口頭で説明すると・・・情報が変わって伝わるのは想像できると思います。
伝えたいことを伝えたい人に正確に伝えるために資料が必要なんですね。
4つ目は、どれだけ真剣にその提案のことを考えているか相手に伝わるということです。それが伝わるとしっかり聞こうと思ってくれます。
資料があるということは、それだけ時間をかけて考えたということの証明になります。丸一日かけて相手のための提案を考えていても、何も見せるものがなければ、かけた時間がどれくらいかは伝わりませんよね。
それから自分が提案される相手だと思って考えてみてください。
手ぶらで来た人とわざわざ資料を作って来た人とどちらの話を真剣に聞こうと思いますか?
オリジナルの資料があるなしでだいぶ聞く姿勢が変わるかも・・・
ここまで読んで、そんなの当たり前じゃないか、お客さんのところへ提案しに行く時に手ぶらで行くわけない、と思う人もいると思います。
そう思った方は素晴らしい!
採用されやすい提案の考え方が身に付いていますね。
では、ちょっと誰かに協力をお願いする時はどうでしょうか。またはあらかじめ実施することが決まっているイベントやキャンペーンの内容を詰める時などはどうでしょう。
特に資料を作らず意見を言うこともありませんか?
実はそんな時でも、少しでも資料があった方が内容が理解されやすく、採用されやすくなるので、もしやっていなければ試してみてください。
実施する時も意思疎通がラクになりますね。
資料作りに時間を大量にかけすぎて非効率にならないにしましょう。相手が検討するために必要な内容が入っていることが大切ですので効率的に作成しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。提案が採用されやすくなるポイントがお分かりいただけたでしょうか。
ではここまでをまとめましょう。
提案率を上げるために必要なことは以下の通りです。
採用率を上げるためにすること
- 相手目線で提案の効果、メリットを考える
- 判断するための情報を揃える
- 相手に手間をかけさせない、面倒だと思わせない
そして簡単でもいいのでオリジナルでプレゼン資料を作ることです。
そのプレゼン資料には以下のことを記載します。
判断するための情報
- 提案のメリット、効果
- かかる費用
- 実施までに必要な時間
- 他社の事例
- 相手にお願いする役割
このようなオリジナル資料を作ることによって以下のメリットがあります。
- 相手が理解しやすい(提案内容を整理して伝え、イメージしやすくできる)
- 判断に必要な情報を漏れなく伝えられる
- 伝達する時の手間が省け、正確に伝えられる
- 相手に真剣さが伝わる
これらによって採用率が上がります。
ここまで読んでお気づきかと思いますが、メリットを考える時も、伝えた相手の次のアクションを考える時も、相手の立場で考えるということが大切ですね。
当たり前のことが多いかもしれませんが、ひとつひとつあらためて考えてみてくださいね。
いいなと思うところがあったらぜひ取り入れてみてください!