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男性脳・女性脳別コミュニケーションをビジネスに生かす方法

マスミ

こんにちは、中小企業診断士のマスミです。
今回は男性脳・女性脳3部作の最終回です。

前回までの記事はこちらをご覧ください。男性脳と女性脳の特徴から、自分と違ったタイプの人とはどんな風にコミュニケーションをとると良いかについてお伝えしています。

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ではこれらのコミュニケーションの違いは、仕事ではどう生かしていけば良いでしょうか。

今回は、男性脳と女性脳の違いをふまえた上で、営業方法やマーケティングでの考え方など販売に役立つ方法や、社内でのコミュニケーションへの生かし方をお伝えしていきます。

もちろんこの通りにやれば必ずうまくいくという訳ではありませんが、男女脳の違いを活用したアプローチ方法ですので意識してやってみるとうまくいく可能性が高まります。

ぜひチャレンジしてみてください。

び~社長

待ってました!!いやっほい!

この記事で分かること
  • 男性脳・女性脳の違いを営業やマーケティングに生かす方法
  • 男性脳・女性脳の部下に対する対応方法
Contents

初対面で好感を持ってもらう

まず第一印象で好感を持ってもらうための方法です。

男性脳

男性脳は人より優位に立ちたいという願望がありますので、単純に褒めて持ち上げてもらうことを好みます。相手の立場、やってきたことなどを聞いてすごいですね、と素直に褒めると好印象を持ってもらいやすいです。

共通の知り合いがいれば、「〇〇さんから▲▲と聞いています」と第三者が褒めていたことを出すとより喜ばれます

また、自分より詳しいことなどを話題にして、「教えてください」というスタンスで接することで、この人は気持ちよく自分の話ができる相手だと認識され、いろいろ話をしてくれるようになります。

たまに話しかけたら負けだなどという感覚を持っている方もいますが、ビジネスにおいて得することは特にありませんので、無駄な対抗意識は捨てて好意的に話しかけましょう。

女性脳

女性脳は共感してくれた人に共感で返したいという気持ちが強いため、共通点を見つけたり「私もそうです、分かります」と共感を示すと好印象を持ってもらいやすいです。

また、女性脳は自己開示力が高いので、初対面でも自分のプライベートな話をしたり、日ごろの不満などを言ってくる場合があります。

男性脳にとっては驚きかもしれませんが、これは心を開こうとしている証拠なので、変に気を使ったり恐縮したりせず「そうなんですか」と同調してあげるとすぐに仲良くなれます。

初対面で好印象を持ってもらう方法
初対面で好印象を持ってもらう方法

顧客としての特徴・マーケティング施策

次に男性脳と女性脳でお客様としてどんな特徴があり、どう対応したらよいかを見ていきます。

男性脳

男性脳は、一度納得して好きになったものはずっと好きでいるという特徴があります。子供の頃に好きだったおもちゃや漫画がずっと好きなのも男性脳の特徴です。

例えば漫画の場合、女性脳は年齢と共に好む漫画の種類も変わってきて、ずっと少女漫画を読んでいる大人の女性は少ないですが、ずっと同じ少年漫画が好きな大人の男性は多いはずです。

このように、一度好きになったものはずっと好きな男性脳は、顧客としては安定した売上が期待できます。

男性脳の顧客には、最初にしっかりと時間をかけて気になる点を説明したり、自社の商品やサービスがいかに優れているかデータなどを用いて論理的に伝えるようにしましょう。その後は多少放っておいても離れることは少ないでしょう。

ただし、男性脳はいいものは独り占めしたいという特徴もあるため、あまり口コミを広げたり紹介をすることには積極的ではありません。

女性脳

女性脳の場合は、お得なものに目移りしやすい特徴があります。そのため、女性客ばかりだと売上の安定の面では苦労することになります。常にお得であり続けないと、違う商品やサービスにすぐ移ってしまいます。

決まったものを続けるというよりは、いろいろなものを試したいというのも女性脳の特徴です。たくさんの中から選んだり、自分流にアレンジできることも好きなので、そういった工夫で飽きさせないことも大切になります。

女性脳は共感・共有したい特徴もありますので、口コミは勝手に広げてくれます。女性客に対しては紹介制度などの活用が向いています。また、友人と一緒に参加するとお得になるイベントなども効果的です。

男性脳女性脳別お客様対応
顧客としての特徴・マーケティング施策

ちなみに、女性と男性では区別できる色の数が違うという結果もあるそうです。男性が7色に対して女性は4倍の29色です。(木下勝寿著『ファンダメンタルズテクニカルマーケティング』より)

ですから、男性には同じように見えるピンクでも、女性にとっては、こっちのピンクは好きだけどこっちのピンクは好みはない、といったことはよくあります。女性向けに商品を作る場合は、女性の感性を十分反映することが大切ですね。

訴求のポイント①

続いて接客の際に役立てられるセールストークについてです。

男性脳 

男性脳は、所有することで自尊心を満たされるような商品を好みます。ステータスとして高級な車や時計を所有して自慢したい人が多いのもこういった理由からです。

ですので、この商品がどれだけ価値のあるものなのか、特別なのかを全面に出すと効果的です。最新、最高、高性能、最高品質などのキーワードが響きます。どれだけの性能かは数値や研究結果などを使って根拠を示します

例)PC
「このPCは、CPUは業界最高レベルの〇〇、メモリーは■■の大容量、今月発売したばかりの最新モデルです。今こんなスペックのPCを使っている人なんて早々いません、できるビジネスマンにふさわしい商品です。」

女性脳

女性脳は自分が持っていること自体よりも、持っていることで周りからどう見られるかを意識するため、どんな風に見られるかをイメージできるよう伝えると効果的です。口コミを参考に購入を決めることも多いです。

また、自分より他人を優先する傾向が強いので、家族や友人が喜びますよ、などと他人のためになると伝えると購入を決断しやすいです。

例)バッグ
「このバッグは機能的なのはもちろん、自分流にカスタマイズできるので、シンプルな中に人と違った個性を出したい方におすすめです。私も持っていますが、友人からすごく素敵ね!と言ってもらうことが多いんです。プレゼントにもすごく喜ばれますよ。」

男性脳女性脳別セールストークの仕方
訴求のポイント①

訴求のポイント②

男性脳

ひとつの事を深く掘り下げる思考の男性脳は、相手が最も興味があることに一点集中した訴求方法が響きます。様々な機能がある商品の説明をしていても、興味を持った点のみを徹底的に説明し、他の機能については触れない方が好まれます。

大切なのはその興味のポイントがどこにあるかを見極めることです。

男性脳は、これはいい、と思ったことを詳しく聞きますので、接客をしていると少し面倒だと感じたり、文句を言いたいのかと思うことがあるかもしれませんが、そうではなく、納得して購入したいと興味を持っていただいているサインだと認識すると良いと思います。

また、商品の説明だけでなく、商品自体も1点集中の商品を好む傾向が強いです。食パンを焼くことしかできないけれど、食パンは最高に美味しく焼けるトースターなどを好むのも男性脳の特徴です。

女性脳

女性脳の場合は、一点集中よりも幅広く対応できるものを好む傾向にあります。
ひとつの商品でさまざまな活用方法ができるとを伝えるとお得感を感じて購入につながりやすくなります。

基本的には多機能な商品に魅力を感じます。たとえその商品が多機能でなかったとしても、いろいろな場面で使えることを伝えられればOKです。

ひとつでご飯も炊けて低温調理もできて、蒸し物、揚げ物までできる鍋やいろいろな場面で着回しができる服を好みます。(実際にそのような使い方をするかどうかといえば、しないことも多いです)

男性脳女性脳別セールストークの方法②
訴求のポイント②

響くプレゼン方法

続いてプレゼンの仕方についてです。相手が男性脳か女性脳かによって同じ内容でも訴求する方法を変えると伝わりやすく、採用されやすくなります。

男性脳

男性脳は根拠を求め、論理的に整合性があるかを重要視しますので、データやグラフを多く使い、目立つようにします。データの出所が信頼性の高いものかどうかも重要です。

曖昧な表現は好まれませんので、あらかじめ言葉の定義を明確にしておいたり、抽象的なものは掘り下げて説明できるようにしておいた方が良いです。

プレゼン自体は色味を抑えてシンプルで分かり易いものを好みます。動きに反応するので動画を使ったり、アニメーションを入れることも効果的です。

説明の中では「先日〇〇さんがおっしゃっていた」「〇〇さんのご意見からアイディアをいただき」など、あなたの話をよく聞いている、あなたのおかげで、という言い方を加えて、自尊心をくすぐると印象を良くすることができます。

(実際に言っていたかどうかは関係ありません。多分以前言ったのだろう、くらいにしか思わないので)

りん

本当に言ったかどうかは関係ないのか・・・

女性脳

女性脳の場合は感覚や経験による整合性を重視しています。そのため、写真やイラストを多用して良い結果をイメージできるようにします。「ああ確かにそういう感覚はあるわ」と共感を得られると採用されやすくなります。

プレゼン自体は、優しい色使いで、整ったデザインの方が印象がよくなります。

また、自分の感覚のほか、みんなの感覚も大事にしますので、「お客様が○○と言っていた」「みんなが賛成している」という「みんなの意見」を入れると効果的です。

男性脳女性脳別響くプレゼン方法
響くプレゼン方法

部下の接し方(褒め方・励まし方・𠮟り方・仕事の任せ方)

ではここからは、社内のコミュニケーションの話になります。

相手が男性脳か女性脳かで好まれる接し方が違いますので、それらを理解した上で相手に合わせるとスムーズにいくことが多いと思います。

また、あえて合わせず同じように接するという判断もあります。その時々や自分の立場によって良い方法を選択していただければと思います。

男性脳

男性脳は言われたことをそのまま受け止め、自慢したい気持ちが強いですので、褒める時は大勢の前でストレートに本人の能力を褒められることを好みます。〇〇さんも評価していたよ、などと上の立場の方を登場させると喜ばれます。

男性脳がミスをして落ち込んでいるような場合は、あまり関わらずそっとしておいた方が良いです。自分は自分という考えのため、女性脳のように気持ちを分かって欲しいとは思っていません。励まされることで余計に自尊心が傷つく場合もあり、一人で立ち直りたいという気持ちが強いです。

女性脳の上司の場合、過去に起こった出来事を持ち出して「あの時もこうだったから!」などと言いがちですが、注意をする時は、過去のことを持ち出したりせず、今起こったことに対してのみ注意するようにします。「過去は過去、現在とはつながっているという認識が低いため、男性脳の部下にはあまり伝わりません。

仕事を依頼する場合、その仕事をすることでどれくらい評価が上がるのかといった自身の評価にとってのメリットを伝えると、快く引き受けやすいです。「あなたの〇〇を評価して依頼している、上司も期待している」などと能力を認めて、上司の期待などを加えると、モチベーションを高く持って取り組むことができます。

女性脳

女性脳は、平等、みんなと同じが良いという考えが強いです。大勢の前で能力を褒められると、周りから妬みの対象になることもあるため、直接的に能力を褒める場合は個別に褒めた方が良いです。

また、能力や結果を褒められることよりも、やってきたことがみんなのためになった、役立ったことを評価し、「あなたのおかげで〇〇できた、ありがとう」と感謝されたり、上司の評価よりは仲間の評価を得られることを好む傾向にあります。

女性脳がミスをして落ち込んでいる場合は色々と話を聴いてあげましょう。女性脳は話をすることがストレスの発散になります。「大丈夫?」と声をかけると「大丈夫」と返ってくる場合もありますが、本当は大丈夫ではなく、「大変だったら気を使わず何でも言ってね」などともう一歩踏み込んでもらいたいと思っている場合もあります。

女性脳に仕事を頼む時に、自分の評価がどれくらい上がるかを伝えても「自分には無理、できない」などと躊躇しがちです。女性脳は自分のことより周りを気にしがちなので「あなたが引き受けてくれるとみんながすごく助かる」とみんなのためになると伝えたり、時間をつなげて考えるという特徴を生かして、「この仕事はあなたの将来にとってこう役立つ、これを身に付けて欲しい」と将来の期待を込めて伝えると引き受けやすいです。

男性脳・女性脳別部下への接し方
部下への接し方

男性脳・女性脳の違いを活用した訴求例

私は住宅設備メーカーの営業として、商品の特徴を伝える仕事をしていましたが、男性ばかりの客先と女性ばかりの客先と両方担当していたので、伝え方を変えていました。両方同じくらいの割合だった場合は、両方入れるようにします。

例えば男性ばかりの場合は、商品の性能ををデータや研究結果を用いて説明し、どれほど革新的で高い技術が使われているかを全面に押し出します。

女性ばかりの場合は、自分がその商品を使った時の使い心地を伝えたり、これがどれほど生活を快適にして家族にも喜ばれる商品なのかを訴求し、実際に体験をしてもらって伝えたりしていました。

同じ商品でもこのように伝える切り口を変えると明らかに反応が違うのが分かります。

また、失敗した例としては、商品の勉強会を企画したのですが、女性ばかりの客先に「徹底的に〇〇商品に詳しくなる勉強会」という内容にしてしまい、参加者が0人だったことがあります。

この内容であれば、一点突破の男性脳には響いたかもしれませんが、幅広くいろいろなことが得られることに価値を感じる女性脳には魅力が無い内容だったと後から気付きました。

必ずしも男性脳、女性脳に起因することではないかもしれませんが、このように色々な切り口で訴求できるとうまくいく確率もあがるのではないでしょうか。

まとめ

マスミ

いかがでしたでしょうか。男性脳と女性脳でかなり好まれる対応が違いますね。

び~社長

同じ人間とは思えないほど違いがありました!
今まで「び~社長はデリカシーがない」と言われていた理由が分かった気がします!

男性脳はこう、女性脳はこうと一概に決まるわけではありませんが、どちらの対応方法も知っていることが大切かと思います。一方のやり方でうまくいかなかったら、もう一方をやってみるという風に使っていただければと思います。

では、今回で男性脳・女性脳の話は完結です。お付き合いありがとうございました!

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この記事を書いた人

マスミのアバター マスミ 中小企業診断士

メーカーにて営業職を10年経験した後、2023年5月に中小企業診断士として独立。
経営戦略やマーケティングに関する記事のほか、営業としての考え方、コミュニケーションのコツなど営業に役立つノウハウも分かりやすくゆる~く書いています。

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