こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
突然ですが、自分が担当するお客様と良い関係を築けていますか?
対象となるお客様とは、主に継続して担当するお客様です。
「良い関係」の定義もいろいろあるかもしれませんね。
以下のようなことと考えてみてください。
- お客様が困った時に頼ってくれる、相談してくれる
- 聞いたこと、それ以上の情報を提供してくれる
- 提案したい時に時間をとってくれる
- 提案したことを採用してくれる
う~~ん、あんまりかな~。
いつも忙しそうでアポとるの難しいんだよね。
それだと、提案したいことを伝えにくいですし、売上を上げるための営業活動もしにくいですよね~
りんには可哀そうですが、それだと良い関係とは言い難いですね。
や、やっぱり・・・
営業にとって、売上を上げるためにはお客様に信頼され、良い関係を築くことは必ず必要ですよね。
では、「良い関係」を築くためにはどうしたら良いでしょうか。
まず、一番のポイントは最初が肝心ということです。
そこで今日は、担当になったばかりの時にどんな行動をすると良い関係を築きやすいかについてお伝えしていきます!
すでに担当しているお客様との関係についてはまた今度。
今日は担当したばかりの時に意識した方が良いことに絞って話すね。
- なぜ関係づくりは最初が肝心なのか
- 担当を持った時にどんな行動をすればこの先お客様から信頼されるのか
- 関係づくりで大切にしたいこと
関係性づくりは最初が肝心!
先ほどもお伝えしましたが、新しく担当するお客様との関係づくりは最初が肝心です。
最初の1,2か月を頑張ると、この先の営業活動がしやすくなるので、それをキモに命じておきましょう。
なぜでしょうか。
それは、こういう人だと判断されると、いや違うもしれない、、と
出来上がった印象を変えるには相当時間がかかるからです。
みなさんも初めて出会った人、初めてのお店、初めて見るテレビのタレントさんなど、何か良くない印象を持った場合、それ以上関わろうとしなくなる、ということがありませんか?
そうなると印象を変えること自体が難しくなりますよね。
担当営業の場合は、少なくとも仕事上のお付き合いが続くので、時間をかければ最初の印象を変えていくことは可能ですが、できればそのような時間をかけずに良い印象を持ってもらい、良い関係を築いていきたいですよね。
では何を頑張ればよいのかを次からみていきます!
自分のめざす象をつくる
まずやるべきことは、自分はお客様からどう思われたいかを考えることです。
先ほど良い関係の定義を冒頭で出しましたが、もう少し細かく設定します。
考えるコツは、担当して半年後くらいにお客様のところに自分と上司で訪問した場面を想像してみてください。
こんな感じです。
こんにちはび~社長、今日は上司のゆるわだと一緒に訪問させていただきました。
び~社長、お久ぶりです。
マスミさん、ゆるわださん、こんにちは、わざわざ来てくれてありがとうございます。
いつもマスミがお世話になっています。
いや~マスミさんはよくやってくれてますよ。
マスミさんは********************でしてね。
び~社長の**********に入る言葉を好きに考えましょう。
「マスミさんに相談すればいつも何とかしてくれますね。」
「マスミさんは私が好きなものがよく分かってるんだよね。」
「マスミさんは仕事がきっちりしてるよね。」
「マスミさんはいつもうちの社員を楽しませようと考えてくれるよね。」などなど。
たくさんあるのでこの辺にしておきましょう。
りんさんはよく訪問してくれるねとか、いつも良い提案をもってきてくれるね、とか、スキッ歯で笑顔がかわいいね、と言われたい。
そうですね、そういうのも良いですね。(※りんはスキッ歯でいつも舌がでています。)
それが自分がお客様から思われたいと思っていることになります。
これが目標であり、めざす自分像です。
こんなこと必要なのか?と思うかもしれませんが、めざすところが分からないとブレます。
これはあくまで仕事ですので、お客様に対する自分のキャラクターをしっかり設定して、それに沿った行動をすることで良い関係がつくれます。
まずこれが第一歩です。
最初は特に頑張る
自分がどう思われたいかを設定できたら、最初は特にそれを意識して頑張ります。
1,2か月間でいいです。自分の印象がだいたいできあがるまででいいんです。
最初に持たれた印象はそのまま続きます。
ですから、ちょっとずるいかもしれませんが、頑張るのは最初だけでも大丈夫。もちろんその後もずーっと継続できることに越したことはありませんが。
先ほどのりんの例を考えましょう。りんはこう言っていました。
りんさんはよく訪問してくれるねとか、いつも良い提案をもってきてくれるねとか、スキッ歯で笑顔がかわいいね、と言われたい。
この場合、頑張ることは
・頻繁に訪問する(コロナの影響はいったん置いておきます)
・いつも笑顔 (犬が笑うのかというツッコミは無しでお願いします)
この2点です。
良い提案については、お客様の状況が分からないとできませんので最初は意識しなくてよいかもしれませんね。
このやり方、訪問頻度についてはかなり効果があります。
最初にたくさん訪問していると、あまり行かなくなっても自分がいない時にきてくれているかもしれない、と思われ「よく来てくれる人」という印象は残ります。
このように、初めて会った時から1,2か月の間は自分が目指す像に沿った行動を意識的にする、というのがポイントです。
そうすると、その後少しくらいさぼっても、最初の良い印象が残ったままです。
これが逆で、最初にこの人あまり訪問しないよね、と思われてしまうと、挽回するのが難しくなります。
ですから担当した最初の1,2か月は印象づくりの期間だと思って目指す像を特に意識した行動を心がけましょう。
最初の訪問で良くない発言とかしちゃったら・・・?
大丈夫、もちろん第一印象はとても重要だけど、初めて会った人の印象を一瞬で決めつける人は多くないよね。
その後しっかりとめざす像に沿った行動をしたらちゃんと伝わるよ。
人の印象は日々の積み重ねです。
もし何か良くないことをしてしまったとしても、そこでもう無理、と諦めるのではなく、また新しく積み重ねていけばいいんです。
堂々とすること
新人の時にありがちなのが
お客様に役立つことをしたいんだけどたいしたことができない・・・
こんな思い、ありますよね。
本当はお客様から信頼されて、役立つ提案をしたい、でも引き出しが少なくて自信が無い・・・
こんな時、何か依頼されても言われたことがよくわからずおどおどしてしまったり、遠慮して聞きたいことが聞けなかったり・・
分かります。私もそうでした。
ですが、その自信の無さはお客様を不安にし、今後良い関係を築くのに時間がかかってしまいます。
私の場合、訪問先のお客様に話しかけることも迷惑なんじゃないか、と気にしてしまい、遠慮がちに話しかけて
今忙しいから!
とあしらわれ、顔が凍り付いたまま会社を後にし、帰りの車で涙を流す。。なんてこともありました。
その時、思っていたのは、私がもっといろいろ役立つことができたら自信をもって訪問できるのに・・・ということでした。
ですが、お客様にとって重要なのは、自社のことをきちんと考えてくれるのかということ。
即答できなくても、きちんと調べて対応する、それができれば十分です。
だからまずは、おどおどするのはやめましょう。
その態度によって、余計に邪険に扱われやすくなるのです。
私の例だと、上記のお客様での経験をふまえ、他の担当を持った時に態度をあらためました。
大きな声で明るく挨拶し、笑顔で堂々としている。とにかくこれだけは、と思って意識しました。
すると扱われ方が変わりました。訪問して話しかけても聞いてもらえるようになり、要望があれば声をかけてもらえるようになりました。
新人には新人のメリットがあります。
きっとベテランよりも担当先は少ないはずです。
そのため、お客様のことを親身になって考えやすく、言われたことを素直に聞いてひとつひとつ丁寧に対応しやすいのではないでしょうか。
ですから、おどおどせず、必要以上に遠慮せず、堂々としていましょう。
その方がお客様から気に入ってもらえて、いろいろ依頼してもらえる良い関係が築けます。
前任者と同じ土俵で戦わない
新しく担当になると、必ず前任者と比較されます(笑)
前任のゆるわださんはもっと早く対応してくれたんだけどね、グチグチ
こういうこと、ありますよね。
※キャラクターに「ますみ」を使ってますが、私はこんなこと言いませんので、念のため。
前任者を気に入っていて、担当が変わることをよく思っていなかったり、新しい担当はどれくらいやってくれるんだと試されていたり・・・。
結論から言うと、もちろん丁寧な受け答えは必要ですが、これらの比較にいちいち反応して、前任者がやっていた通りにしないといけないと思う必要はありません。
その代わり、自分の得意なことをきちんと出していきましょう。
前任者のことを気に入っている人は、前任者が得意としている部分の印象が強く、それを期待しているんですね。
ですが、自分も同じ点を得意としている場合はよいですが、そうでない場合の方が多いですよね。
例えば、前任者は対応スピードが速い、すぐに呼んだらきてくれる、などで気に入られていた場合、同じようにするとなると、これまでの自分のペースを変えなければならないのでかなり苦労します。
ですから、その部分はほどほどにして、他の強みを提供するという方法を考えた方が良いです。
対応は早くはないけれど、正確だったり、お願いされたことに加えてプラスアルファで提案したり、など。
そうやって自分の強みであるところを提供して、自分の土俵にもってくる。
得意でない部分を頑張るよりも、得意なところを出す方が簡単なので、その方が早く認めてもらいやすいです。
そしてこんな風に思ってもらえるでしょう。
ゆるわださんほど見積りは早くないけど、提案は的を得ているし、いい提案してくれるね。やるじゃん。
ただし、お客様が求めていることとその優先順位を意識する必要はあります。
先ほどの例だと、とにかく早いのがいい、というお客様には物足りないと思われるかもしれませんので、力配分を考えることです。
それから何より、自分の得意分野、強みが何なのかを明確にしておくことです。
それが分かっている人ほどお客様との関係づくりが上手く、売れる(数字の出せる)営業につながります。
自分の強みが何なのか分からないな~という方はこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
では今日のまとめです。
担当を持った時にお客様と良い関係を築くために意識すること
- 自分の目指す像を作る
- 最初の1,2か月で印象が作られるので特に頑張る
- 堂々とする。大きな声であいさつし、明るく元気にはできるはず
- 前任者と同じ土俵で戦わない。自分の強みを発揮する方向に持っていく
営業とは自分のファンづくりと同じです。
自社の製品、サービスを気に入って買っていただくということに違いはありませんが、「あなただから買いたい」なのです。
どんなに良い商品やサービスでも嫌な営業さんからは買いたいと思いません。
ですから、日ごろのお客様への対応、関係づくりはとても重要なのです。
いかがでしたでしょうか。ぜひできるところからチャレンジしてみてくださいね。