「ゆるゆる幸福論」とは、そもそも人は幸せになるために生きている、という前提で、幸せとは何か、幸せになるためにはどうすればいいのかという人生の深~~いテーマについて、私の体験談を交えながらゆるくお話しているコーナーです。
あくまで私の考えなので、一般的な解釈とは違う部分もあるかと思いますが、誰かの心を少しでも軽くできて、幸せを感じていただけたらなと思って書いています。
マスミどうもどうも、中小企業診断士のマスミです。
前回「メタ認知的自己理解」の方法についてお話していましたが、そこから派生して他者の理解がどうつながるのかについて掘り下げていきたいと思います。
前回の記事はこちら


以前の記事を確認したい方はこちらからご覧ください。
幸せの全体像、記事の構成はこうなっています。


そして「感じる幸せ」の構造はこんな感じです。


ではさっそくいってみましょう!
- メタ認知的他者の理解とは
- メタ認知的他者理解の活用法
メタ認知についておさらい
まずあらためて、メタ認知力についておさらいしておきましょう。
メタ認知力とは以下のような力です。
- 自分や物事を俯瞰して見る力
- 自分を理解する力
- 自分をコントロールする力
- 相手を理解し、相手に合わせた対応をする力
メタ認知力が高いと、自分自身や他人、物事全体を俯瞰して見て理解できるため、自分で決めたことを遂行しやすくなったり、他人への理解度も高いので、期待した行動をとってもらいやすくなり、関係性構築や組織づくりがスムーズになるといったことができます。
もう少し具体的に言うと、例えば職場で仕事が計画的に進められない人がいたとします。
メタ認知力が低い場合、主観のみで物事をとらえているため、自分ができることは他人もできることだと思って、「なぜあの人はこんなこともできないの?」とイライラしたりします。
メタ認知力が高い場合、主観を離れて相手の状況を想像します。「あの人ができないのはなぜだろう?」「もしかして仕事を理解していないのか?」「他に仕事が多いのか?」などと考えます。そして、ではどうしたらいいかと建設的に物事進めることができます。
こんな風に、メタ認知力が高いと物事を多角的に見て、理解するといったことができます。
何度も出てきますが、こんなイメージです。自分と自分を取り巻く他者もこの箱の中に入っていて、それをまた別の自分が見ている感じですね。


前回、自己理解について掘り下げましたので、今回は、他者とのコミュニケーションに関わる、他者理解についてお伝えしていこうと思います。
メタ認知的他者理解とは
まず、認知と価値観について簡単におさらいしておきます。
「認知」とは、他者や自分を取り巻く世界が「~であるべき、~に違いない」という捉え方です。「思考のクセ」のことです。自分はこういう人だ、こんな時にはこう考えるということも含まれます。
「価値観」は自分は「~が大切、~でありたい」という「私の在り方」ですね。
自分で認識している認知・価値観もあれば、認識していないものもあります。
メタ認知的他者理解とは、前回お伝えした「メタ認知的自己理解」を他者に置き換えただけです。
他者が何をした、何を言ったという事象をそのまま受け取ることの他、その背景にある「認知」や「価値観」まで理解しようとすることです。
この図のように私たちの行動は、思考や感情が背景にあり、そのさらに奥には認知・価値観があり、さらにその元になった何かしらの出来事や経験があるという構造になっていると思います。(私の感覚ですが)
一般的な他者理解だと、行動の背景の感情や思考を予想するという程度で終わりますが、もう一歩踏み込んでみるんですね。


例えば、何度言ってもトラブルが大きくなるまで報告に来ない部下がいたとします。感情、思考レベルだと、「この部下はやる気がないんだ、隠したいんだろう。」と考えたりしますね。
そこで、「なぜこの部下は何度注意されても報告をしないのだろう?」と、この行動の背景にはどんな認知や価値観があるのかを考えてみます。ここがメタ認知的他者理解です。(直接聞いてもまともに返事がこないとします)
まずは自分に置き換えてみます。



私が報告が遅くなる時や、報告したくない時はどんな時だろう?
そうすると、



完璧に仕上げないといけないと思っている時や、自力で解決できないと無能だと思われるんじゃないかと思っている時かも…
などと仮説が立てられます。
そして状況をもう少し詳しく掘り下げてみます。その部下は完璧にしようとしていることはないか、自力でやろうとしすぎていないかなど思い返してみます。
その時はっきりしなくても、一度そんな疑問が湧くと、その答えになりそうな情報が目につくようになります。
そうして、これはやっぱりこの認知が合ってそうだと想像ができます。
そして、部下には、「完璧じゃなくていいから、早めく報告することが全体として最適だよ。それが個人の評価にも繋がるんだよ」と伝えることで、部下は変わる可能性がありますね。あくまで可能性ですが。
ただ「何度言ったら分かるんだ、早く報告しろと言ってるんだ」と言うよりは可能性は高そうですよね。
他者理解はほとんど想像です。
この人はこういう人だと明確な答えはでないです。その人も変化しますし。
ただ、理解しようすることが大切です。こんな人かもしれないな、だったらこういう風に接したらうまくいくかもしれないと考えます。
相手を変えることはできません。ただ、相手の認知や価値観を理解することで、相手が自発的に動きたくなるような接し方はできます。ここまでを自分の課題としています。
以前「課題の分離」についてお話しましたが、まさにこれです。
では「理解しようとする」にはどうすればいいか。
先ほどの例を見ていただければわかると思いますが、やっていることは次の通りです。
- 相手の言動を冷静にデータとして受け止める
- 相手の言動から感情や思考を想像する
- その想像した感情の元にある「認知・価値観」は何だろうと考える
- 自分に当てはめて考え、想像する(仮説を立てる)
- その仮説が正しそうかデータを集めて検証する(観察する)
おそらく、ほとんどの人が、、



こんな面倒なをこといちいちやってられない
と考えたでしょう。
大丈夫です。分かっています。
こんな手順を覚えていなくても、とにかく③を意識すればいいだけです。
この③は、自分の主観や感情をいったん脇に置いて起き、「この人はなぜこうなのか?」と立ち止まることを意味しています。これが俯瞰視点への切り替えです。
この疑問を一度持っておくと、これまで見過ごしていたことが、疑問の答えとして目に入るようになります。
そして、③でができたらきっと自動的に④につながるはずです。
相手と同じ態度や感情になる時はどんな時だ?と想像します。
その時には「メタ認知的自己理解」が必要なんです。
「私はこんな時にこんな感情になる、こんなことを考える」というデータをどれだけ持っているかで、この時点での予測の精度が変わります。
ここが大事なんです。先ほどの例でもそうですが、「報告書遅らせるのは、完璧にしたいから」という認知を知っていないと先に進まないのです。
だから、他者の理解を深めたい人は、とにかくメタ認知的自己理解を深めることに集中すればいい、ということになります。
自分の認知・価値観から感情や思考につながるルートをたくさん知っていれば、相手のことも想像できるからです。
<マーケティングの応用>
話は少しそれますが、これらの話は、自己理解や他者理解の話だけではなく、マーケティングでも使える方法なんですね。
私はなぜこっちよりこっちがいいと思ったのか?こっちの方が店員さんが親切だったから。では以前のこのサービスはどうだったろうか。この時も店員さんの態度が良かったから決めた。そうか私は商品やサービスそのものよりも定員の態度を優先して決めているんだな。ということは、店員の態度、教育は消費者購買に影響を与える可能性が高いな。
こんな風に予測することができます。あくまで「自分というサンプル1人」ですが、1人いるということは多数いる可能性がありますね。
マーケティングではこの心理描写「インサイト」がとても重要で、1人の深い認知(なぜそれを買ったのか?)を掘り下げることはとても有益な視点です。
他者理解の邪魔になるエゴ
他者の認知・価値観を理解しようとする時に邪魔になるものがあります。
それは、エゴです。
エゴについて、詳しくはこちらの記事を見ていただければと思いますが、簡単に言うと、自分の存在価値を否定されないように他人をコントロールしようとする欲のことです。
なぜエゴが邪魔になるかと言うと、視界を曇らせるからです。
エゴは自分を必要以上に守ろうとするので、自分に都合のよい情報しか受け取らなかったり、否定されたくないと自由な発想を制限したりします。目的が「自分のため」になってしまいます。
他者の理解をしようとする時、自分をどう見ているかや相手にとって自分はどういった存在なのかを理解する必要が出てくる時がありますね。
その時に、エゴで自分を守ろうとする意識が働くと、あの人は自分を嫌いなんだろう、そんな奴のことは知らない、などと感情が出てきて先に進まなくなったり、私に対して批判的な感情があるのかもしれませんが、その発想が出てこなかったりします。逆にネガティブな感情はないのに被害妄想的に捉えてしまうこともあります。
こうなると、相手の理解よりも自分を守ることが優先されてしまっています。
メタ認知的理解で必要なのは、俯瞰視点で、客観的にデータとして捉えることです。
ですから、メタ認知的自己理解でも他者理解でも、自分の存在価値を守ろうとするエゴは余計なフィルターをかけてしまうので、自分の存在価値は揺るがずにここにあるものだ、という自己肯定感がとても大切です。
エゴと自己肯定感の関係性についてはこちらの記事をご覧ください。


他者の感情に敏感な人とメタ認知の違い
メタ認知的他者理解ができると、相手の状況を把握し、寄り添えるようになります。相手が望む行動もとりやすくなります。
ただ、メタ認知力が高くなくても、相手の期待を察知したり心情を察することができる人もいます。相手の感情に敏感な人です。
実はこのような人は、自己肯定感が低い人に多いです。
他者の反応(承認)を自己価値の土台にしているため、他者に自分がどう映っているかを常に気にしているからです。この時の私のようにです。他人の評価が全てだと思っていました笑
何度も出てきていますが、この右の図の状態です。


このタイプの人は、他者ありきで存在しているため、相手の感情を敏感に察知します。ただし、その対応は表面的になりがちです。
メタ認知的理解では、感情や思考だけでなく、その背景にある認知・価値観の理解をします。そのため、相手の感情や思考を想像した時に、相手の認知・価値観と整合性がとれているかチェックができます。
この図の右のようにです。これによって、より正確に相手の感情や思考を想像することができ、求められている対応ができる、というわけです。


例えば、仕事でミスをして落ち込んでいる同僚がいたとします。
それを見て、この人は落ち込んでいるから同僚として助けになりたいと考えたとします。
他者の反応に敏感な人は、自分が落ち込んでいる時は、ぱ~と飲みに行って忘れたいと思うから、同僚を飲み誘おうかと考えるかもしれません。
メタ認知的他者理解ができる人は、この同僚は、ミスをしたら1人で考えて立ち直りたいと思う人だと理解しています。ですから、あえて声をかけず、普段通りに接します。
どちらも、同僚の感情を察知していて、落ち込んで考え込んでいるという思考も想像している点は同じです。でも、その背景の認知や価値観を知っているかどうかでその後の行動が変わりましたね。
どちらが相手のためになっているかは明白です。
そしてどちらを信頼したいかも明白ですよね。
こんな風に、メタ認知的他者理解ができると、本当に相手のためになることを考えて行動できるので信頼関係も築きやすくなるということです。
また、報告をしない部下の事例のように、相手の間違った認知に気付き、その書き換えを行うことで、相手の行動変容を促すこともできます。そのため、解決できることが多いんです。
まとめ
ではまとめです。
- メタ認知的他者理解とは
-
一般的な他者理解は相手の感情や思考の想像だが、メタ認知的他者理解はその背景の「認知・価値観」を理解することや感情や思考とのつながりを理解すること。
- メタ認知的他者理解のためには自己理解
-
自分の認知・価値観や感情へつながるルートをたくさん知っている人ほど、他人に対しても精度の高い認知の仮説を立てることができる。自己理解の深さ=他者理解の限界値
- 自己肯定感の重要性
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自己肯定感が低いと「エゴ」が出てくる。エゴは自分の存在価値を守ろうと情報にフィルターをかけてしまう。相手の言動を客観的なデータとして受け取り、メタ認知を正常に作動させるためには、「自分の価値は揺るがない」という自己肯定感の土台が必要。
- メタ認知的他者理解の効果
-
メタ認知的他者理解で、相手の認知・価値観を理解していると、相手にとって真に価値のある行動を選択でき、信頼関係を構築しやすい。相手の認知を変えることができ、建設的な問題解決ができる。
メタ認知力は奥が深いですね~
そしてその自己理解をメタ認知力として活用していってください。
次回は、メタ認知力が高い人が陥りやすい罠についてです。メタ認知力が高い人あるあるなので、ぜひこちらも読んでみてください。



ではまた!
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