こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
今日は誰でも簡単にできて効果バツグンなのに意外と使われていない「自己紹介シート」のお話です。
自己紹介シート?名刺みたいなもの?
自己紹介シートとは、ただの自己紹介の紙(データ)1枚のことだよ。名刺だけだと、会社名と役職とか所属、名前と連絡先しか分からないでしょ。その補足ね。
え、それだけ?そんなに大切なの?
大切だよ!!
ではなぜ大切なのか、どんな効果があるのかや作り方も説明しましょう。
- 自己紹介シートの効果、作る意義
- 自己紹介シートの作り方やコツ
- 自己紹介シートの使い方
なぜ自己紹介シートが必要なのか
なぜ必要なのかと言えば、結果的には売上を上げることにつながるから、というのが答えですがその道筋をしっかり理解しておきましょう。
まず、お客様に自社の商品やサービスを買ってもらうためには、その良さや購入するメリットを知ってもらわなければなりませんよね。
そして、営業担当としては、それらをきちんと伝えたいですよね。そのためには、お客様に話を聞いてもらえる関係、気軽に相談してもらえる関係を築くということが必要です。
もっと言うと、自社の商品やサービス、さらには自分のファンになってもらえれば継続して売上が上がるようになりますね。
まあそうだね。当たり前のことだよね。そこに自己紹介シートがどうつながるの?
お客様のところに足しげく通い、コミュニケーションをとっていけばそういう関係は築ける場合が多いでしょう。
ですが・・・
正直、時間かかるしめんどくさい。
そう、何度も何度も訪問して世間話などしたりして、、とやって仲良くなるのは時間がかかる(しめんどくさい)んですよね。自分もお客さんもヒマじゃないですしね。
ということで、そんな時間をかけなくても、自己紹介シートを作って渡せば、それ1枚で自分がどんな人なのかおおまかには知ってもらえます。
そしてその自己紹介から話が広がったり、お客さんのことも話してもらったり、一気に距離を縮めることができます。
自分と同じ趣味だったり、出身地が同じだっりしたら、それだけで急に好きになったりするじゃないですか。
それは名刺1枚に書かれた会社や連絡先の情報だけではできないことです。
私たちも普段ネットで記事やブログを読んだり、SNSなどでコミュニケーションをとる時でも、この人どんな人なの?と思ってプロフィールを見ますよね?
会社でも新しく顔合わせする時なんかは自己紹介1枚作ってプレゼンしたりしますよね。それと同じことです。
お客さんにはしない方が不思議ですよね。
自己紹介シートを作って渡すということは、私はあなたと仲良くなりたいです、と意思表示していることと同じです。
そうされて嫌な気持ちになる人はいません。ですから、お客さんと良い関係を築きたいならまずやりましょう。
確かに・・自己紹介1枚作って、、って社内だとよくやる。
お客さんにこそ使うべきだったかも。。
そして自己紹介シートにはもう1つメリットがあります。仲良くなるだけでなく、主導権を自分が持つ関係になれるということです。
いくら仲良くなっても、なんでもお客さんの言うことを聞いてばかりの関係では自社の商品やサービスを売るための話は聞いてもらえませんし、単なる御用聞きになりがちです。
ですから、お客さんの要望は聞きつつも、主導権は自分が握っていたいですよね。
自己紹介シートを作って渡すという行為は、受け身ではなく自分から起こしたアクションであり、それはお客さんの予想を超えるちょっとした嬉しい驚きです。
それによって、あなたに対する期待値が高まり、話を聞いてもらいやすくなるのです。
ということで、これまでの話をまとめると以下のようになります。
自己紹介シートが売上アップにつながるわけ(下から順につながっていきます)
自己紹介シートを作って渡すメリット
- 他社(他者)と差別化できる、覚えてもらいやすくなる
- コミュニケーションの主導権を握れる
- 話しかけてもらいやすくなる
- 自分がどういう人か伝えやすい
- 時間をかけずにお客さんとの距離を縮められる
自己紹介シートを作る時のコツ
ポイントは親しみやすさと信頼感です。
営業にもいろいろなタイプがあるとは思いますが、私が思う最強の営業は、この親しみやすさと信頼感が同居している人です。
自分が何か購入する時のことを考えてみてください。例えば、、じゃあ保険にしましょう。
どんな営業さんに担当して欲しいですか?
そうだなあ、、売り込みばっかりじゃなくて、本当にりんのことを考えてくれて、専門的な知識を持ってベストなものを選んでくれる人がいいな。
そうですよね。売り込みばかりで話を聞いてくれない人は嫌ですよね。話をちゃんと聞いてくれる人、話しやすい人という条件がまずひとつ、それから、当たり前のことですが、自分の知らない知識を持っていないと話を聞く気になりませんね。
これって保険に限ったことではなく、何でも同じですよね。
ですから、この人話しやすそう、商品やサービスのことも良く知ってるんだな、ということが伝わる自己紹介シートが良いものです。
ということで、こんな項目があると良いです。
- 名前
- 顔写真や似顔絵・・・顔が見えないと親近感が湧きにくい
- 出身地、住まい・・・つながりがあると急に仲良くなれる
- 学生時代の部活やスポーツ・・・同上
- 社歴、得意分野、資格・・・信頼感獲得に役立つ
- 自社製品(サービス)の好きなところ、押し・・・さりげなくアピール(自分視点なのがコツ)
- 趣味、休日の過ごし方、ハマっていること・・・話題が広がりやすい
- 最近の悩み(くだらないものにする)・・・親近感を持ってもらいやすい、話のネタになる
テンプレートを差し上げますので、作るのがめんどくさい人は、自分流にアレンジして使ってください。
参考用に私の自己紹介を書いておきますね。8割方本当のことを書いています。
自己紹介シートの使い方と次のアクション
自己紹介シートの使い方、、と言ってもただ渡すだけです。
最近はリアルでなかなか会う機会が減っているので、メールに添付するという手もあるでしょう。それでも十分、むしろそこまでやっている人が少ないのでより効果があると思います。
私が自己紹介シートを渡す時は名刺と一緒にこう言って渡しています。
私の自己紹介を作ったので良かったらお時間ある時に読んでみてください。捨てる場合は私の見てないところで捨ててくださいね。
たいてい笑ってもらえます。
自己紹介シートを渡した後、ベストな行動は定期的に情報発信することです。
先ほど親しみやすさと信頼感が大切です、とお伝えしましたが、信頼感は書いただけでは培われません。
この人何か得な情報を持ってる人なんだ、と伝えることが大切です。そのための情報発信です。
これをすることで、お客さんは、あなたを「何か役立つことを教えてくれる人」→「話を聞くべき人」と認識するようになります。
こうして自分のポジションを確立します。こうした関係ができると、格段に営業しやすくなります。お客さんの方から声をかけてきてくれることが増えます。
なるほどなるほど!自己紹介シートがきっかけでつながっていくね。
実際に使ってみた効果
私はメーカーでBtoBの営業をやっています。客先は中小企業から大企業まで部署ごとに分かれています。
大企業を担当していた時は、営業としてアプローチする人数が400人以上で顔も名前も覚えられませんし、ようやく覚えてもお客さんの異動も日常茶飯事で、なかなか関係を作るのに苦労します。訪問しても会えない人も多いです。
そこで毎年期が変わるごとに自己紹介シートを作成して、とにかく配りまくりました。会えなくても渡してもらうようにしました。
自己紹介シートの後は、毎月何かしらの小ネタをまとめた情報通信を1枚作成して、それも配りまくりました。これもコツがあるので、別の機会でお伝えしますね。
こんなことをやっているうちに、会ったことの無いお客さんから問合せの電話が入るようになりました。そこから勉強会を開いて欲しいと要望いただいて開催したりすることもありました。
訪問して初めてお会いした人が、配った自己紹介のネタを覚えていてくれて、「私も●●やってるってずっと言いたかったの!」と話しかけてくれる人もいました。
とある協力会社の営業さんと知り合って話をした時に、「■■さん(担当客先:100人以上いる)でマスミさんのこと知らない人いないですよ。有名人ですよ。何してるんですか?」と聞かれました。
いろいろ施策もやっていてましたが、ただそのスタートは自己紹介シートを配り、情報発信を続けていた、というところなんですよね。この商品ならマスミさんね、と覚えてもらっていたから声をかけてもらえるんです。
ですから、特に人数が多い客先を担当している場合はこうした自己紹介シートや情報発信は効果的に活用できます。
肝心の実績ですが、担当した年に新規取引がスタートした商品のシェアは3年で50%を超えて全国でもトップクラスのシェアとなりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。自己紹介シートの活用方法、役割がお分かりいただけましたか?
では、今日のまとめです。
営業だったら自己紹介シートを使わない手はない!!です。以上(笑)
メリットはたくさんありましたね。おさらいしておきましょう。
自己紹介シートを作って渡すメリット
- 他社(他者)と差別化できる、覚えてもらいやすくなる
- コミュニケーションの主導権を握れる
- 話しかけてもらいやすくなる
- 自分がどういう人か伝えやすい
- 時間をかけずにお客さんとの距離を縮められる
そして、『親しみやすさ』と『信頼感』のある営業パーソンになる第一歩がここにあります。
まずは自己紹介シートを作って、名刺と一緒に渡す、メールに添付して送る、そこからお客さんとの関係をスタートさせてみましょう。
自己紹介シートは誰でもできます。ですが、ほとんどの人はやりません。なぜなら作るのがめんどくさいからでしょう。
ですが、私からすると、自己紹介シートを使わず足しげく通って関係構築をする方がよっぽどめんどくさいです。どこに時間をかけるべきなのか、考えればすぐ分かることですよね。
あんなに”めんどくさい”って消してたのに言っちゃってるし・・
たかが自己紹介、されど自己紹介です。やってみるといろいろなところで営業活動の役に立つ発見がありますので、ぜひ活用してみてくださいね!