
中小企業診断士のマスミです。前回からの続きです。



よ!待ってました!
前回の記事はこちら


今回は、具体的に採用の準備、ステップについてお話していきます。一緒にやっていきましょう。
- 良い人材を採用するためのステップ
- 採用基準についての考え方
採用のステップ
ではさっそく、採用のステップですが、次の流れで行っていくことをおすすめします。
- 理念を明確にする
- 採用の目的を明確にする
- 従業員満足度を上げる
- 求める人材像を明確にする
- 採用基準を検討する
- 選考方法を検討する
- 面接官の準備をする
- 自社の提供価値を明確にする
- 伝え方を考える
- 求人媒体を検討する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.社内整備
理念を明確にする
採用に経営理念?と思うかもしれませんが、経営理念はそもそも会社経営においてかなり重要です。



はい!経営理念は額に入れて事務所の壁に貼ってあります。



それは素晴らしいですね。どんな経営理念ですか?



あ、えーと、えーと、何でしたっけ?
先代の時に考えたので曖昧ですね。。。
経営理念はあっても、それを社員が認識しておらず、行動が伴っていなくてはその効果を十分に発揮しているとは言えないです。
経営理念は、会社の方針、方向性を明確にし、社員一丸となって目指す方向へ進むためにとても役立ちます。
経営理念があることによるメリットは次の通りです。
- 経営理念があることで、判断基準が明確になり、自発的に行動できる社員が増える
- 共感する将来像に向かって社員が前向きな行動をするようになる
- 理念に共感する人材を採用することで、教育がしやすくなる、理念を実現しやすくなる
経営理念の重要性や経営理念の立て方についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、もし今経営理念がない、うまく使えていないという場合は参考にして作成してみてください。


採用の目的を明確にする
経営理念がしっかりと定まったら、そこからさらに、採用の目的についても考えてみましょう。
「なぜ採用を行うのか」の先には「この先会社がどうなっていきたいか」というビジョンがあるはずです。
前回お伝えしている通り、単に人手が足りないから誰でもいいということではなく、会社の将来のための採用であることが重要です。
それを言語化するために、会社としてという視点と、現在働いている社員としてとう視点で、次の点を書き出してみるとよいと思います。


これらの内容は、求職者にとって、共感を生んだり、働くメリットとして感じられたりします。
それらを伝えることで、理念に共感し、会社の将来を一緒に考えていける人材の採用につながります。
従業員満足度を上げる
前回の記事でも触れましたが、せっかく良い人材が入社してもすぐに辞めてしまってはその労力が無駄になります。
そのためにも、従業員満足度の高い環境づくりはとても重要です。



従業員満足度を上げるほど給与を上げられないんですよね…



いやいや、従業員満足度は、給与の高さだけで決まるものではないんですよ。
従業員の満足度は、もちろん給与や休日などの条件面も大切ですが、それが全てではありません。
次の内容はリクナビで調査している退職理由の本音ランキングです。
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)
引用:リクナビNEXT(https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/)
最も多いのは上司や経営者の仕事の仕方に対する不満で、23%です。
給与の問題は4位で12%すね。この他、条件面としては2位に労働環境が上がっていますが、それ以外は条件というよりは人間関係や方針、評価などに対する不満が多いんです。



なるほど、給与や労働条件以外の部分がかなり大きいと!
そうです。ですから、社長や上司とのコミュニケーション、理念や方針の共有、仕事に対して正しく評価することなどが必要です。
そうすることで、従業員のモチベーションも上がり、満足度も上がり、離職率の低い会社になります。
具体的には次の点などを検討してみると良いです。


2.採用の準備をする
では、ここまで社内の準備が整ったら採用の準備をしていきます。
もちろん、社内整備と同時進行していても大丈夫です。
求める人材像を明確にする
まず、最も重要なことは、求める人材像を明確にすることです。
良い人材が欲しいと思っていても、じゃあどんな人ですかと聞かれたら、具体的に答えられますか?



えーと、仕事ができる人…ですかね。
とにかく優秀な人がいいです。



だいぶ漠然としていますね。
はっきり言えることは、求める人材像を明確にしないと、求める人材は採用できないです。
求める人材がどんな人で、今どんなことをしていて、どんなことに不満を持っているか、どんな方法で求人を探しているかなどを考え、その人物に届く自社の価値を伝えること、これが良い人材を採用するためにやるべきことです。
ですから、まずはどんな人材に入社して欲しいか、社長の考えだけでなく、現場の従業員にも聞いて、「求める人材像」を明確に言語化しましょう。
なかなか出てこない場合は、まずは「こんな奴は絶対嫌だ」というダメなヤツから出していくと良いです。それをひっくり返すと、最低条件が出てきます。
そうしたら、よりリアルに考えるために次のような点を考えて書き出してみてください。
そうすることで、求める人材の心理分析がしやすくなり、訴求する内容や求人媒体の選定にも役立ちます。





お客様に自社の商品やサービスを届けるために考える
マーケティングと同じですね。
採用基準を明確にする
求める人材像のイメージができたら、採用基準を明確にしていきましょう。
ここで大切なのは、知識やスキルのような後天的に身につくことよりも、なかなか変えられない人間力や価値観の部分を重要視した方がよいということです。
そして最も重要なのは、「自社の理念に共感できるか」ということです。
どんなにスキルが高くても理念と合わない人材を採用しないことです。
なぜなら、最初に考えた通り、採用の目的は、経営理念を実現することだからです。





そうでした!
専門知識の高さにばかり目を向けてしまっていました!
知識や専門スキルは後から身に付きます。また、自社で育成するという考え方が必要です。
理念に共感し、前向きで努力できる人などの人間性の部分を重視して採用を行うようにすれば、教育の時間はかかりますが、辞めることもなく、既存社員とも良好な関係を築き、お客様からも信頼される優秀な社員に育っていきます。
具体的には、性格、考え方、スキルなどに分けて次の点を書き出して条件としておきましょう。絶対にNGなことは、いくら他の要件が良くても一発アウトになるようなことです。
採用基準
- 最低条件、必須項目
- あるとなおよいこと
- これがあると絶対NG
選考方法を検討する
ここまでできたら、その要件を聞き出すためには、どんな質問をすればよいかを考えていきます。
コツとしては、考え方を聞くよりは、過去の行動を聞く方が良いです。
考えはいくらでもその場に合わせて答えられますが、行動は実際に行ってきたことなので、なかなか事実と違うことを答えにくいためです。
要件に合わせて、質問内容を書き出してチェックシートを作成しておきましょう。
そして、その質問事項は、できるだけ変えずに、誰が面接を行っても確認するようにします。
面接をした人によって採用基準が変わってしまっては基準を考えた意味がありませんので、同じ基準で採用を行うようにしましょう。
面接官の準備
さらに、面接をする側の準備も進めましょう。
面接を行う際は先ほどのチェックシートを使って行います。
それから、正しく評価できるように、次の「心理的誤差」に惑わされないようにしましょう。


まずは、人を見るときにこういった見方や評価をしやすいんだということを知り、惑わされないように気を付けるようにします。



確かに…
学歴が高いと初めから仕事ができると思い込んでいるかもしれませんね。。



ということで、今回はいったんここまで。
次回求人募集の準備からです!



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