
中小企業診断士のマスミです。前回からの続きです。今回最終回です。



やっと採用活動までできます!
待ってました!
前回の記事はこちら




今回は前回からの続きで、求人募集の準備からです。
最後にワークシートもついていますので、そちらもぜひ活用してみてください!
- 良い人材を採用するためのステップ
- 採用基準についての考え方
3.求人募集の準備
次に求人募集の準備です。
自社の提供価値を明確にする
まずは、求める人材像が入社したいと思えるような自社の価値を整理していきます。



そんな魅力ある会社じゃないんですけど…



まあそう言いたくなるかもしれませんが、そんなことないですよ。
ものすごく素直で薄毛をいじられても喜んでいるかわいい社長がいることや、個性豊かなキャラの濃い従業員がいることなどをいいと思う人もいますよ。



それは私のことかな!わははははは!
中小企業で働くメリットとしては一般的には次のようなことが挙げられます。
- 幅広い仕事を経験できる。
- 経営者と近く、経営を身近に見られる
- 意思決定、実行のスピードが速い
- 自分の得意分野、能力を好きなだけ発揮できる
- 意見やアイディアが採用されやすい
- 形式的な仕事が少ない
- ルールを変えやすい
- 転勤、異動が少ない
- 昇格昇給が早い
- 社員同士の距離が近い
- アットホームな雰囲気
中小企業の一番のウリは、社長の魅力・個性であったり、理念であったりします。ですから、社長の個性を前面に出し、この人の下で働いてみたいと思ってもらうことも有効です。
また、会社の特徴や採用、待遇に関して、求職者は次の点も知りたいと思っています。これらについても伝えられるように考えておきましょう。


ここまでお話してきたことをまとめるためのワークシートがありますので、検討する際はご活用ください。(個人情報なしでダウンロードできます)



おお!それはありがたい!
伝え方を考える
ここまで整理できたら、あとはどう伝えるかですが、「ゴールデンサークル理論」というものをお伝えします。
「ゴールデンサークル理論」とは、WHY→HOW→WHATの順で想いを伝えることで、共感を生むことができるというものです。
マーケティングコンサルタントであるサイモン・シネック(Simon Sinek)氏が、2009年に「TED Talks」でプレゼンした「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」の中で提唱した理論です。
1.WHY 理念やビジョン
2.HOW 伝え方
3.WHAT 商品やサービス
人の心を動かすのは感情であり、直感であるため、この順番で伝えることで、直感的に共感を呼び起こし、その後の内容が好印象になるとされています。


ここで何が言いたいかというと、まずは理念から伝えていきましょうということです。
例えば、次の2つの文章はどちらがより共感を得やすいでしょうか。
- パターン①
-
私の知識とスキルをお伝えするセミナーを企画したので参加しませんか?
私は中小企業診断士として、日々勉強し、支援を行っています。
なぜなら私の使命は日本の中小企業を元気にすることだからです。
- バターン②
-
私の使命は日本の中小企業を元気にすることです。
そのために中小企業診断士として日々勉強し、支援を行っています。
そこで得た知識とスキルを存分にお伝えするセミナーを企画したので参加しませんか。



パーターン①は売りたい感がとても出てますね。
パターン②の方が思いが伝わります。
そうなんです。言っていることはほとんど同じですが、順番を変えると思いが伝わりやすくなります。
先ほどの文章は以下の構成になっているんですね。
私の使命は日本の中小企業を元気にすることです。(=WHY)
そのために中小企業診断士として日々勉強し、支援を行っています。(=HOW)
そこで得た知識とスキルをお伝えするセミナーを企画したので参加しませんか(=WHAT)
ですから、求人広告だけでなく、何かを伝えたいときは、「WHY」なぜ(理念や思い)から伝えるようにした方が伝わりやすいので、ぜひ使ってみてください。
求人媒体を検討する
最後は求人媒体の検討です。
ここまで、求める人材像を明確にし、伝える内容も考えてきました。
ではその人物はどんな方法で求人募集を探しているでしょうか。今はWEB検索を使う方が多いと思いますが、年齢層や職種によっては違う方法の方が効果的なこともあります。
WEBでの求人広告は、Indeed(インディード)やエンゲージなど、無料で掲載できるものも多くあります。これらを活用しつつ、これまで検討してきた伝えるべきことをしっかりと記載していくことで他社との違いを伝えることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、様々な方法、媒体で広く行うことも必要となってきますので、できれば担当者を決めて取り組んだ方がいいですね。


4.選考
選考についてですが、履歴書や面接での選考の他に、適正検査での確認もおすすめです。
一定の行動や職業に対して、どれほど適した素質を持つかを測定する検査で、ひとりあたり2,000円~、20分程度の検査で能力や志向、ストレス耐性などが分かります。
面接や書類審査では見えない部分を確認することができますので、入社後のミスマッチを防止することができます。
適正検査を提供しているサービスは以下の他にも多数ありますので、探してみてください。
5.入社後の教育
最後に、入社後の教育というより、現在の教育制度についてあらためて見直してみてください。
知識やスキルはあまりなくても、自社の理念に共感し、(例えば)まじめで努力家な、将来を担う理想の人物像が入社したとしたら、十分に教育できる体制があるでしょうか。
やりながら覚えればいいから、見て覚えて、などでは十分とは言えません。
できるだけ早く業務を習得し、やる気を維持しつつ成長できるように覚えるべきことは一覧にしたり、マニュアル化したりするなど、情報提供、共有の仕組みを作ることが必要です。
具体的には、次の点についてできることがないか検討してみてください。


まとめ
いかがでしたでしょうか。全3回に分けて中小企業の採用方法についてお伝えしてきました。
ここまで手間をかけてやらないといけないのか…と思いましたか?
現在では求人広告のエージェント会社に相談してもこのような手順で掲載内容をアドバイスされるので、取り組んでいる会社が増えてきています。
そのような会社と比較されるわけなので、やらないと良い人材を採用することはますます難しくなっていきます。
一度に全部社内でできない場合は、エージェントの支援を受けて行うこともできますので、ぜひ検討してみてください。
また、今回の取り組みは、人材採用だけでなく、自社を見つめなおし、社内環境全体を良くすることにもつながっています。従業員さんと一緒に取り組んでみるとよいと思います。
最後に、中小機構に掲載されている「中小企業のための人材確保・育成10カ条」をご紹介します。
リンク先に詳しく内容が説明されていますので、こちらも参考にしてみてください。





分かりました!
私が先頭にたってやります!
やったります!!



ではまた!
良い人材を採用できることを祈っております!