こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
今回はマーケティングでよく使われる3C分析について解説します!
マーケティングって何?なんとなくしか分からない・・という方はさらっとこちらの記事を読んでみてくださいね。
マーケティング戦略を考える手順は以下の通りです。
今日はこの一番最初の3C分析とバリュープロポジションについてお話します。
- 3C分析とは何か
- 3C分析の使い方
- バリュープロポジションとは何か
- バリュープロポジションの見つけ方
3C分析とは
まず最初に考えるのは、自社の商品やサービスがお客様にどんな価値を提供したいかを明確にすることです。
そのために、3C分析というフレームワークがよく使われます。
3C分析の目的としては、市場全体の状況を把握することと、そこから顧客が必要とする自社にしか提供できない価値を見つけることです。これを『バリュープロポジション』といいます。
3Cとは、自社(company)顧客(customer)競合(competitor)の頭文字をとっています。
まずはそれぞれについて以下の分析のポイントについて洗い出していきます。
その中で、顧客が必要としていることで、自社しか提供できないこと(バリュープロポジション)を見つけるんです。
うーーん、なかなか難しいです。自社も他社も同じものを扱っていますし。。競争が激しいんですよね。。
そうですね。では、以下の2つの方法で考えてみてください。
- 自社が提供できることを単に商品やサービスと考えないこと
- お客さんのニーズからではなく、自社の強みや特徴から考えること
どういうことか説明しますね。
自社が提供しているもの、例えばび~社長の会社の場合、ハーブを使った安眠効果のあるハーブティーを売っているとします。
び~社長の会社、B社は緑豊かなX島で、X島特産の伝統あるハーブを栽培、加工、販売している会社です。安眠効果のあるハーブティーなど、ハーブを使った商品を扱っています。び~社長はこのハーブを大切に思っていて、ハーブを使って島の活性化を行いたいという思いがあり、事業を始めました。(という設定です)
このハーブティーが提供できる商品になるのですが、お客さんはなぜこのなぜ安眠効果のあるハーブティーを買うのでしょうか。
お客さんは、単に商品が欲しいのではなく、安眠効果のあるハーブティーを飲むことでリラックスして睡眠を取りたい、安眠することで毎日元気に活動したいといったその先の嬉しい未来を得たいからハーブティーを買うんですよね。
もしくは、夜にハーブティーを飲みながらゆっくりとした時間を過ごして1日の疲れを癒したい、などという気持ちがあったりもしますよね。
この、商品を買うことによって得られる嬉しい未来のことを『ベネフィット』と言います。
そうすると、B社のハーブティーはリラックスした時間を提供できる、とも考えれられますね。
なるほど。欲しいのは商品そのものではなく、その先にある嬉しい未来ですか。確かに。リラックスしたいからハーブティーを飲むんですよね。
そして、このハーブは、大自然が豊かなX島で栽培される伝統ある希少なハーブで、無農薬で質の良さにこだわって栽培からB社で行っています。び~社長はX島や伝統あるハーブを大切に思って事業を行っています。
そういった背景やストーリーはB社独特のものです。
このように、ベネフィットや自社の歴史やストーリー、社長の思いも含めて考えてみると自社が提供できることや自社の特徴が見えてきます。
ただし、その特徴がお客さんにとって価値があるかどうか、どんな価値を提供できるかを『マーケティング志向』で考えることが必要になりますね。
マーケティング志向とは、お客様の視点に立って考えるということでしたね。
お客さんのニーズが大切なので、顧客から考える、という方法もありますが、この場合、今あるニーズに対して自社ができること、他社ができること、と考えることになるので、差別化することが難しくなります。
ですから、独自ポイントが見つけにくいな~と思った場合は、自社から考えると良いです。
B社の場合を考えてみると、「大自然を感じ、癒しとリラックス時間を提供できるハーブティー」というコンセプトが見えてきました。
このハーブ栽培を行っているのはB社だけなので、ハーブ栽培を行っていることも強みにできますね。
そうすると、ハーブティーという商品だけでなく、ハーブ園の見学ツアーやハーブを使ったアロマオイル作る体験の提供など、日常を離れた癒しの時間を提供するという商品やサービスも考えられそうですね。
このように、自社から考えて、ベネフィットをイメージしてバリュープロポジションを考えてみてください。
私がこだわっている栽培方法やX島への思いも独自のもの、ということですね。
そうです。び~社長のその思いに共感して応援したいという人もいますので、理念や思いを伝えることも大切なんですよ。
バリュープロポジションキャンバス
バリュープロポジションについて、なんとなく考えが決まってきたら、それが顧客のニーズに合っているかな、と考える方法についてお伝えします。
それには、バリュープロポジションキャンパスというフレームワークを使います。
バリュープロポジションキャンバスは、どんなお客さんに買って欲しいかもある程度決めてから始めます。
ですから先に3C分析で情報を洗い出した後に行うと良いですね。
この図の①~⑧までを埋めていきます。
手順は次の通りです。
B社を例に考えてみましょう。
①の欄には自社のバリュープロポジションを書きます。
B社の場合は「大自然を感じ、癒しとリラックス時間を提供できるハーブティー」ですね。
②には、仮で良いのでターゲットを書きます。
B社の場合は、都会に住む癒しの時間が欲しい20代~50代の疲れている女性とします。
③には、顧客が叶えたいと思っていること、解決したい課題を書きます。
B社の場合、疲れを癒したい、健康的な生活を送りたい、体に良いことをしたい。安眠したい。毎日元気に働きたい、などですね。
④は、顧客が叶えたいことに対して、どんなことにメリットを感じるかを書きます。
B社の場合は、安眠効果を実感できること、良い香り、安心の無農薬栽培、ハーブの希少性、自分だけが知っているお得感、などでしょうか。
⑤には、叶えたいことに対して顧客が障害と感じていることや悩みを書きます。
B社の場合は、使っても効果が無いかもしれない、値段が高い、味がまずい、注文の手間がかかる、効果のあるハーブティーの飲み方が分からない、などが考えられます。
ここまで顧客の立場で考えたら、それに対応するように自社の提供できるものとして対応させて考えていきます。
⑥は③の顧客の叶えたいこと、解決したい課題に対して、それに応えられる自社の商品やサービスです。
B社の場合は安眠効果のあるハーブティーですね。大自然で緑豊かなX島で過ごす時間にも癒しになるので、X島への旅行やB社のハーブ園を活用した体験ツアーも商品になりそうです。
⑦は④の顧客が感じるメリットに対応するものです。
B社の場合は、安眠効果は約1週間続けると得られる場合が多いので、1週間のお試しパックを販売すること、無農薬栽培で安全な成分であることをパッケージに表記、香りにもこだわり、数種類のハーブをブレンドすることで癒し効果を高める香りと飲みやすい味にしている、X島でしか栽培できない希少性などが挙げられます。
⑧は顧客の障害を取り除く、悩みの解決につながることですね。
B社の場合は、自社栽培なので、間接コストを抑えて他社のハーブティーよりも安価に提供できる、注文の仕方は、都度注文の他、定期購入に対応、ハーブティーの飲み方をHPや同封のチラシで知らせる、味は前述の通りブレンドで飲みやすくしており、3種類の味を選べるようにしている、などが挙げられます。
このように、顧客のニーズに合わせて自社が提供できる価値を書き出していきます。その中で、自社だけが提供できることやより顧客が求めていることの強さを考えて、自社の一番のウリ、他社と差別化できるバリュープロポジションを検証していきます。
もしここでどうしてもこれだ、というバリュープロポジションが見つからなかったら、ターゲットを変えてみます。
ターゲットが変わればニーズも変わりますので、違った価値を提供できることもあります。
このように、すぐにはバリュープロポジションは決まらないかもしれませんが、情報を整理して見えるようにして考えることで次第に発見できるようになります。
ぜひ社内で意見を出し合って考えてみてください。
まとめ
では、ここまでのまとめです。
- 3C分析とは、自社、顧客、競合について分析し、顧客に必要とされる、自社だけが提供できる価値を見つけるために行う。
- 顧客に必要とされる、自社だけが提供できる価値をバリュープロポジションと言う。
- 3C分析は、自社から考え、理念や歴史なども自社の強み、特徴となる。
- 3C分析で自社が提供できる価値とは、商品やサービスだけでなく、顧客が得られる嬉しい未来=ベネフィットという視点で考えてみる。
- バリュープロポジションとしたものが、本当に顧客のニーズに合っているか、バリュープロポジションキャンバスで考えると良い。
- バリュープロポジションキャンバスでは、顧客の視点で考え、それに対応する自社が提供できる価値を考える。
- うまく合致しなかったらターゲットを変えてもう一度考える、を繰り返して見つけていく
なるほど!わが社のバリュープロポジションが見えてきました!
次は何を考えたら良いでしょうか。
それでは次は、ターゲットを詳細に決めるSTP分析についてです。
続きはこちらをどうぞ。