こんにちは、中小企業診断士のマスミです。
今回は事業計画をつくるために参考になるサイトなどをまとめてお伝えします。
長く経営を続けていくためには、自社の強みやとりまく環境をふまえた戦略を考え、事業計画を立てることが重要じゃ。
創業時や新規事業の立ち上げでは融資を考えることもあると思います。金融機関でお金を借りるには事業計画が必要となり、そんな時にも活用できますので、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに事業計画とは経営戦略を具体的な行動計画に落とし込んだものです。
経営戦略とは?中小企業がとるべき戦略にについては?などについては、こちらの記事で詳しくお伝えしているので気になった方はまずこちらを読んでみてくださいね。
経営戦略をなるべく簡単に考えられるよう、フレームワークやテンプレートが色々用意されているので、活用しやすいものをご紹介していきます!
また、自社をとりまく環境について分析をするときに役立つサイトもまとめましたので、ぜひ調べてみてください。
- 事業計画を立てるために活用できるサイトやツール
- 外部環境分析に活用できるサイトやデータ
- 自社の財務状況を分析したい時に活用できるサイト
経営計画を作ってみよう
経営計画つくるくん
経営計画つくるくんは、中小企業政策の実施機関となっている中小企業基盤整備機構(中小機構)が開発したアプリです。
サイトのキャラクターである「つくるくん」と一緒に、経営計画がなぜ重要なのかや、計画作成の手順などを学んだり、質問に答えながら計画を作成することができます。
事業を成功させるためには事業計画はかかせません。しかし、実際に作成している事業者さんは少ないため、できるだけ簡単に苦手意識を持たないようにと工夫されて作られています。
ぜひ活用して事業計画を作成してみてください。
経営デザインシート
経営デザインシートは、内閣府が提供している、これからの経営(ビジネス)をデザイン(構想)するためのツール(フレームワーク)です。
将来のめざす姿をイメージして自社の持つ強みを考え直し、これから何をすべきかをはっきりさせることができます。経営方針や戦略を考えるのに役立つツールですね。
フレームワークになので、枠を埋めていくことで考えを整理できます。アプリなどのダウンロードも不要で内閣府のサイトからテンプレートをダウンロードして使うことができます。
解説用動画や活用事例などもたくさん掲載されていますので、自社の将来についてあらためて考えなおしたいと考えている方はぜひ活用してみてください。
簡易版もあるので気軽に取り組めるぞ。
まずはサイトをチェックしてみよう。
IT活用・DXを考えたいなら
IT戦略ナビ
IT戦略ナビは、中小機構が運営するサイトです。
経営の課題解決にITを活用していきたいと考える方のために、質問に答えていくだけでどんな戦略でどんな流れで進めていけばよいかを明確にしたIT戦略マップと導入プランが作成できるサイトです。
簡易的なもので、手軽にできるので、まずはサイトを覗いてみてください。
プランを作成すると、次の「ここからアプリ」に続きます。
ここからアプリ
ここからアプリは中小機構が運営しているサイトで、目的に合ったアプリやツールを探すことができます。
業種や目的などの条件を設定すると、おすすめのアプリを教えてくれます。
ホームページを作りたい、顧客管理をしたいなど、様々な目的に対して、どんなツールを使えばいいのか分からないといった時に活用できますので、まずはサイトをチェックしてみましょう。
財務分析をしてみよう
財務面で、自社の状況が良いのか悪いのかわからない、という方もいるのではないでしょうか。
決算書を見て、売上や利益の数値は分かるけれど、どこが問題なのか、何をどう改善していくべきなのかが分からないため、漠然と不安を感じている方もいるかと思います。
そんな時は、同業者の平均値や基準となる数値との比較をおすすめします。財務分析や比較に役立つサイトをご紹介します。
経営自己診断システム
経営自己診断システムは、中小企業政策の実施機関となっている中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するサイトです。
決算書に書かれている数字を入力することで、①収益性 ②効率性 ③生産性 ④安全性 ⑤成長性について点数がつけられ、レーダーチャートとして見ることができます。
ローカルベンチマーク(ロカベン)
ローカルベンチマーク、通称ロカベンは、財務分析の他に経営者や経営の管理体制なども客観的に分析できるシートです。経営全般の健康診断のようなことができるイメージです。
社長ひとりで取り組むこともできますが、社内の複数人で取り組んだり、支援機関(金融機関や商工会議所等)の担当の方やコンサルタントなどと一緒に対話しながら取り組むと様々な意見や考えが出てきて気付きが多くがあると思います。
ロカベンについての説明はこちらが分かりやすいです。
フォーマットは以下からダウンロード可能です。
中小企業庁の中小企業支援施策のサイト「ミラサポplus」に会員登録し、GビズIDでログインすると、WEB上で作成することも可能です。
ちなみにGビスIDとは、デジタル庁が管理する複数の行政サービスを1つのアカウントにより、利用することのできる認証システムです。補助金申請の手続きなどで必要になります。
小企業の経営指標調査
こちらは政府系金融機関の日本政策金融公庫が出している業種ごとの経営指標です。
単純に決算書の数値との比較ができないので参考までに。
中小企業診断士などのコンサルタントが財務分析を行う時にはよく使います。各指標を業界の平均値と比較し、なぜその数値になるのか、問題がどこにあるかなどを考え、の経営課題の発見につなげていきます。
地域の周辺状況を調べよう
地域密着の事業展開においては、周辺環境についての調査、理解が必要です。それらの特性をふまえた上で、ターゲットや事業内容を設定することが事業を成長させる上では重要となります。
そんな人口動態や地域のデータを集める時に役立つサイトをご紹介します。
jSTAT MAP
jSTAT MAPは地域を指定して、その周囲の人口動態(年齢、性別と人口)や産業形態を地図上で確認できるツールです。
会員登録しなくても使えますので、自社の商圏がどんな世代が多いのかなどをチェックしてみましょう。
統計ダッシュボード
統計ダッシュボードは様々な統計データをグラフにして掲載してあるサイトです。グラフにすると見やすくなるので活用しやすいですね。
e-stat 政府統計の総合窓口
参考までに、政府統計のサイト、e-statをご紹介します。
ただ、このサイト、統計がまとまってはいるのですが、どこにデータが格納されているか探しにくく、色々なところに飛んでしまうので、何回も使っていないと欲しいデータに辿り着くのが困難です。
辿り着いたと思ったら調査説明の資料だったりもします。
もっと分かりやすくして欲しいです。。
業界動向
中小企業だけでなく、業界全体としての動向や将来予測を知りたい場合は次のサイトが参考になります。
業界動向サーチ
矢野経済研究所
矢野経済研究所は、基本的に調査資料は有料ですが、プレスリリースは無料で閲覧できるのでそれだけでも活用できるデータが多数あります。
キーワードを検索して、プレスリリースを見ると良いです。
山田コンサルティンググループ
船井総研
(おまけ)経済産業省 工業統計調査
こちらは将来予測というよりは、過去のデータです。製造業の製品ごとの売上額や従業者数の推移が分かります。
消費者動向
BtoCの事業(一般消費者を対象にした事業)の場合、消費者の需要や好み、トレンドなどを把握することがとても重要です。そんな消費者動向を調査して、公開しているサイトがあるので参考にしましょう。
総務省統計局
家庭の消費支出の推移が分かります。例えばケーキに年間いくらくらい支出しているか、などです。
これからもっと売れ続けるのか、需要が減りそうなのかなどの予測ができます。
J-Net21(中小機構)
飲食店や小売業、サービス業向けの消費者のアンケート結果です。ただ少し古いです。
総務省情報通信データベース
インターネットの利用状況などの市場調査です。近年急速にオンライン化、IT化が進んでいますので、その動向なども分かります。
(株)博報堂
消費者の好みなど、あらゆるカテゴリーのアンケート結果が掲載されています。
(株)リクルート
リクルートはホットペッパーやSUMO、じゃらんなど様々な分野のプラットフォームを持っていますので、消費者ニーズや好みなどの意識調査を行い、レポートを公開しています。
レポートにまとまっているので活用しやすいですね。
マイボスコム(株)
こちらも消費者のサービス利用状況や意向などのアンケートデータが多数あります。会員登録すると見られるデータが増えますが、無料でも利用できます。
無料で色々教えてくれてありがたいです。
データを使う時は、出典を確認して、できるだけ信頼性の高いところのデータを活用するようにしましょう。一般的には政府の調査結果だと信頼性が高いですね。
また、データを活用して資料作成をする時には、活用してOKか確認しましょう。出典元を記載すれば活用できるものが多いですが、NGなものもありますので、確認して活用してください。