こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
今日は、営業でもマーケティングでも必要とされる『お客様視点』について考えてみたいと思います。
お客様視点で考えて、、とはよく言われますが、なかなか難しいんですよね。
そうですね、私たちは消費者として買う側にもなっていますので、誰しもお客様視点は持っているはずです。
ですが、売る側になった時に買う側の気持ちをつい忘れてしまうんですよね。
お客様ってそんなに都合よく動いてくれないよ
そういうことです(笑)
『お客様視点』はマーケティング戦略を考える上でも、営業としてお客様へ商品を売る場合でも必要な考え方ですね。
今日はそのお客様視点を日ごろから鍛える方法をお伝えします!
- お客様に対するサービスや商品を企画する人
- 販売促進のために施策を考える人
- 営業として担当を持っている人
日ごろの自分の心理分析を習慣にする
まずステップ1としては、自分のことを考えるということからです。
お客様視点で考えるためには、まず自分だったらどうだろうと自分に置き換えてみれば、自分と似た考えや好みの人のことは分かりますね。
まずはそこから攻略しましょう。
これは意識さえすれば比較的簡単に誰でもできます。
以前デキる営業は人を動かすことができる人、という記事で「人が動くには理由がある」とお伝えしました。
ですので、自分が動くことにも理由がありますね。当たり前です。
それをいちいち言語化しておきましょう。
慣れない人は多少めんどうかもしれませんが、書いたりしなくても大丈夫です。
で頭の中で考えるだけでいいのでいつでもどこでもできます。
どんな時にどんなことを考えればいいんでしょう。
そうですね、こんな時、なぜ自分はこういう行動をしたんだろうか、と考えてみてください。
お金を使った時、なぜそれを選んだのか
おそらくほぼ毎日かもしれません(笑)
たとえばランチでからあげ弁当を買ったとします。
この時、自分なぜこのお店のからあげ弁当を買ったのか、を考えてみてください。
私もよくお昼にからあげ弁当を買っていますが、その理由は以下の通りです。
- 会社から近い
- お店が混んでいないので待ち時間が少ない
- 値段が手ごろ
- 唐揚げが柔らかくておいしい
- 白ごはんがおいしい
- キャッシュレス決済が使える
- ポイントが溜まる
1番から順に優先順位です。
お弁当を買って帰る道すがら考えられますね。
これが明確になっていると、もし自分がお弁当屋さんだった時に私のような会社員の女性に選ばれるお弁当を販売できます。
実際にはそんなピンポイントな機会はないと思いますが、これを応用して活かす機会はあるはずです。
例えばキャッシュレス決済を導入するかどうかは飲食店に限ったことではありませんね。
私のような人にとっては、優先順位は高くはないので集客に直接大きな影響はありませんが、同じようなお店が2つあった場合は使える方を選びます。それくらいの影響力はあります。
このように、まずは自分の心理分析をしておくことで、自分と近い人物が選ぶ基準として当てはめて考えることができます。
いったん言語化して整理していれば、適宜引き出せると思います。
これができたら次にもうひとつ考えておくと良いことがあります。
これがあったらもっといいのにな
これを考えることで、競合に勝つサービスを考えることができます。
先ほどのからあげ弁当の例で考えてみましょう。
う~ん、特に思いつかないですね~
じゃあ、点数をつけたら何点でしょうか。
え~と、85点くらいかな。
どうしたら100点になりますか?
そうですね、あと100円安くて、会社まで配達してくれたら100点です!
あ、あともっと種類が多かったらいいな。
と、こんな風に、点数をつけて考えてみると「もっとこうしたら」が見えてきます。
もし新しくからあげ弁当を販売するお店を始めるなら、価格設定、配達の有無、品揃えを検討することが有効ではないか、と考えられますね。
このように、日ごろ自分がお金を使う時になぜこれを選んだのだろう?と都度考えて言語化するクセを付けましょう。
きっと商品によって様々な基準で選んでいることに気づくと思います。
それが「お客様視点」を仕事に生かす第一歩です。
ちなみにこのようにどんな時にどんな基準で商品を選ぶか、を理論としてまとめているのが「消費者行動理論」です。
いずれ「消費者行動理論」についても記事を書いていきますね。
お客様と自分の違いを認識する
ステップ2としてはお客様と自分の違いを認識することです。
先ほど自分だったら、と自己分析をお客様視点として生かす方法をお伝えしました。
ですが実際にはこれだけでは不十分です。お客様は自分と似た人ばかりではないからです。
そうですね、先ほどのからあげ弁当、同じ店で私も買いますが、実は選んでいる基準がマスミさんと違うんですよね。。
ちょっと恥ずかしいですが・・・私の場合
1.会社から近い
2.からあげだけどカロリーが控えめ
3.店員の女性がかわいい
なんですよね。。
店員さんが「いつもありがとうございます!」と笑顔で接客してくれるのが癒されるんですよ~~エヘエヘ
このように様々です。(そんな理由だったとは・・・)
そこで、び~社長と自分との違いを確認してみましょう。
違いを確認する上では以下の点について考えてみるとよいです。
- 年齢、性別、職業などの属性
- 日ごろ気にしていること、興味や関心
- 決定する際に大事にしている考え(早い、安い、親切、最新、感覚的、理論的など)
これらの違いを認識しているのとしていないのとでは、お客様視点を考える上で大きく違います。
自分と同じように当てはめれば良いのか、自分とは違うから確認や調査が必要なのか、この判断基準となります。
例えば先ほどのび~社長と私のように、性別や年齢が違っていても「会社から近い」という点でお弁当屋さんを選んでいます。同じ会社員(び~社長は社長ですが)であれば職場から近いということを優先するんだな、ということが想像できます。
また、笑顔がかわいい女性の店員がいることは50代の男性にとっては選ぶ基準になりえるのか、ということも分かりましたね。
誰かと選ぶ基準が違うなと思うことがあったら、なぜ違うのか先ほどの①~③に当てはめて考えてみましょう。
なるほど!そうするとどういう属性の人がどんなものを選びがちか、何を優先するのか、というサンプルになるんですね!
そういうことです!さすがび~社長、飲み込みが早い!
ここで注意するのは、たまたま話を聞いたひとりが全てではない、ということです。
あくまでサンプルのひとつとしてインプットしておきましょう。
また、お客様と自分の違いを認識する、ということはぜひ営業にも生かしましょう。
お客様と自分の違いは何か(立場はどう違う?仕事で大切にしていることは?など)担当先がある場合はじっくり考えておくことです。
例えば相手が小さい子供を育てながら仕事をしている女性の場合、男性の社員が自分と同じだったら、と考えてしまうと感覚のズレが生じます。
会社員なのか、会社を経営しているのかも大きな違いですよね。
このように、お客様(相手が会社の場合でも)と自分は何が違っているのかは日ごろから意識した方が良いです。
そして、自分と同じように考えてもよいのかどうか、都度確認することが大切です。
直接聞く
自分とお客様の違いが分かったら、その後はどうしたら・・・
最後はど直球です
お客様と自分に違いがあると認識したら、その違いを埋めるために必要なことは、聞くことしかありません。
そして、ある程度慣れてくるとお客様視点が想像できるようになってきますが、それでも直接聞くことが一番だということを忘れないようにしっかりと心に留めておきましょう。
直接聞けなければ、似た属性の人に聞くというのもありです。
いずれにしても、聞くときは、完全にヒアリングに徹することです。
これは自分と違う属性の人の意見の情報収集をしているだけなので、自分と違う意見を言われて
いやね、私は違う考えなんですよ、だってね、、
などと意見交換はしなくていいです(笑)無駄に揉めるだけです。
その他の注意点としては先ほどもお伝えしていましたが、数人に聞いたことが多くの人に当てはまることなのか、その人特有のことなのかは判断する必要があります。
それらに注意しながら、日ごろからできるだけたくさんの人の考えや価値基準を聞くように意識して情報収集に努めましょう。
たくさんの人数の大まかな傾向が知りたい場合はアンケート調査などを参考にしても良いですね。
インターネット上で収取できる情報もたくさんあります。
まとめ
お客様視点を鍛えるステップをまとめると以下の通りです。
- 日ごろから自分は「なぜこれを選んだ?」「もっとよくするには?」を考える習慣をつくる
- お客様と自分の違いを認識する。(年齢・性別等の属性のほか、考え方や興味関心、選択時に大事にしている基準)
- 「直接聞く」という意識を大切に。聞く姿勢を貫く。
いかがでしたでしょうか。
お客様視点になるためには特別なことは必要ありませんね。
ただ、日ごろから意識をすることです。
その積み重ねでお客様視点の思考のクセがつきます。
はい!今からすぐに始めます!
なぜ私はハーブを栽培しようとしたのか、なぜハーブ入りクッキーが売れると思ったのか、そこから考え直します!
※び~社長は以前ハーブ入りクッキーを販売して全く売れなかったという経験があります。
いいなと思ったらぜひ試してみてください。ではまた!