こんにちは。中小企業診断士のマスミです。
今日はマーケティングの第4弾、4Pについてです。
待ってました!!
この記事はマーケティング初心者向けにイチから分かりやすく説明するシリーズです。
マーケティングの全体像はこのようになっています。
今日はこの一番最後の施策立案の部分、4P戦略のお話になります。
マーケティングってなに?って方はこちらから順番に読んでみてくださいね!
これまで、自社の強み、顧客のニーズや競合の状況などを3C分析で把握し、ターゲットを決めて自社の立ち位置やウリをSTP分析で明確にしてきました。
わが社のハーブティーは都会に住む40代の女性で疲れを感じている人をメインターゲットにして、希少な天然成分が含まれ、安眠とリラックス効果が高い商品ということで差別化を図るところまで決まりました!
そうですね、では次は、これらをふまえてマーケティングの4P「商品」「価格」「流通」「販売促進」について考えていきましょう。
び~社長の会社、B社は緑豊かなX島で、X島特産の伝統あるハーブを栽培、加工、販売している会社です。安眠効果のあるハーブティーなど、ハーブを使った商品を扱っています。び~社長はこのハーブを大切に思っていて、ハーブを使って島の活性化を行いたいという思いがあり、事業を始めました。(という設定です)
- 4Pとは何か
- 4Cとは何か
- 売上を上げるために検討すべき「商品」「価格」「流通」「販売促進」の考え方
4Pとは
4Pとは商品(Product)価格(Price)流通(Place)販売促進(Promotion)のことです。これらの頭文字をとって4Pと呼んでいます。
マーケティングとは、売れる仕組みをつくること、ゴリゴリ営業しなくても勝手に売れるようにすることでした。
その仕組みを作る上でいったい何をどう考えていけばいいのだろう、という時にこの4つの視点で考えると漏れなく考えられるよ、ということで4Pが設定されています。
なるほど、整理して考えるのに便利ですね。
そうです。やみくもに考えるより効率的で確実ですね。
商品(Product)
まずどんなものを商品とするかですが、そんなものは決まっているよ、という場合も今一度考えてみてください。
商品やサービスは同じでも、どんな品揃えや提案メニューにするか様々な選択があるはずです。
具体的に考えるのは「商品ラインナップ」「商品特徴」「品質」「デザイン」の他、店舗がある場合はその空間が提供できる価値や、無料サービスなども含めて商品です。
考えるにあたってはSTP分析のポジショニングマップに落とし込んだ自社のウリ、差別化ポイントを発揮できるかどうかを基準にします。
び~社長のB社のポジショニングマップはこうでした。
なるほど。商品を考える時にSTP分析が役立つんですね。こんな風につながってるんですね。
B社の場合はこのような差別化ポイントをより伝えやすくするパッケージにしたり、よりリラックス効果の高い香りを研究し、ターゲットのニーズに合わせて数種類用意することにしました。
また、同じハーブでリラックス効果のあるアロマオイルをセット販売することも考えました。
(フィクションです。念のため)
価格(Price)
続いて価格です。価格を決めるのは、原価や販売コストを元に考える方法と市場の相場から考える方法があります。完全にどちらかにするのはなく、両方バランスを考えて設定します。
またここでいう価格とは、「商品価格」の他、「仕入価格」「値引きの価格」「決済方法」「取引条件」なども含まれます。
現金取引きだけでなく、カード払いやスマホ決済に対応するのかどうか、その手数料なども含めたコストと顧客の利便性を考えたメリットと比較して検討する必要がありますね。
また、定期便にすると安くなるなど、取引条件ごとの価格設定も検討します。
価格は安ければ良いということではなく、商品の価値やサービスに合った価格設定が必要です。
ブランディングにも関わってきます。(ブランディングについては別の記事でご紹介しますので、少しお待ちください!)
流通(Place)
続いては流通・販売チャネルです。
流通・販売チャネルってどういうことでしょうか。
流通・販売チャネルとは、顧客にどのような方法で商品やサービスを届けるか、ということです。
直接店舗で販売するのか、通販のみか、代理店に依頼するのか、デパートで販売するのか、ドラッグストアで販売するのかなど、様々な場合が考えられますね。
なるほど。確かに。いろいろありますね。
それにどこで買えるかでその商品の価値も変わるような気がします・・
おお、そうなんです。び~社長すごいことに気付きましたね。
たとえばドラッグストアでいつでも買える商品なのか、デパートでしか買えないのか、それによって商品のイメージはかなり変わりますね。
ですから、この流通もSTP分析でポジショニングした自社の特徴をより魅力的に伝える方法を選びましょう。
商品、価格、それから販促活動もすべてつながっていて、一貫性を持たせることが大切なんです。
そういうことですか!よくわかりました!!
販売促進(Promotion)
最後は販売促進(プロモーション)です。
広告のことでしょうか。
そうですね、広告もプロモーションのひとつですが、それだけじゃないんです。
プロモーションとは、大きく言うと、顧客との接点、コミュニケーションをどうとるかと考えてください。ですから、プロモーションの方法はこのように色々あります。
これらを適切に組み合わせることをプロモーションミックスと言います。
- 広告宣伝
- PR(広報)
- 販売促進活動(セールスプロモーション)
- 人的販売
- SNS、口コミ
- ホームページ
具体的な方法やコツは別の記事でご紹介予定ですので、今回は簡単に概要をご説明しますね。
広告宣伝
広告宣伝は、ご存じの通り、TVCMや新聞、ラジオなどのメディアに広告を出すことの他、現在はインターネット上の広告も様々ありますね。
2021年にインターネット広告費がTV、新聞、ラジオ、雑誌のマスコミ4媒体の合計を上回っています。(2022年4月web電通報)
広告というと大企業が高いお金を使って行うイメージが強いと思いますが、web上の広告であれば少ない金額でもできて、予算を抑えたい中小企業でも比較的可能な方法です。
PR(広報)
PRは広告と違い、メディアに記事として取り上げてもらう方法です。
プレスリリースという、自社のニュースをメディアに発信することで取材対象にしてもらう方法などもあります。そのためには季節に合ったものや話題性のあるものを発信するという工夫が必要です。
取材に応じる形をとるため、費用はかかりませんね。ただしお察しの通り、取り上げてもらえるためにはそれなりの工夫と努力が必要です。
そうか、記事として雑誌などで紹介されると一気にお客さんが増えたりしますね。取材されたいな~
PRの具体的な方法はまた別の機会にご紹介しますね。
販売促進活動(セールスプロモーション)
販売促進活動(セールスプロモーション)は販売するために行う施策全般のことです。キャンペーンを行ったり、試食やサンプル提供、チラシを配布するなど様々ですね。
人的販売
人的販売とは、営業や販売員が直接売り込みをすることです。店舗での実演販売なども含まれます。直接顧客に説明したりアピールできますが、一度にたくさん対応できなかったり、押し売り的なイメージを持たれる場合もあるので、商品の特徴や場所などで使い分けも必要ですね。
SNS・口コミ
顧客とのコミュニケーションといえば、SNSの活用が思いつくかと思います。
会社でSNSのアカウントを作り、顧客との双方向のコミュニケーションで関係を築き、自社のファンを増やしていく方法ですね。
SNSはFacebookやTwitter、インスタグラム、Ticktock、LINEなどが主なものですが、年代や性別によってよく使うものの傾向が違うため、ターゲットや業種によってどのツールを使うか選択した方が良いです。
ホームページ
ホームページは今は持っているのが当たり前になりましたね。どんな会社なのか、どんな製品やサービスを提供しているかなどを分かりやすく伝えることができ、信頼を得ることができます。大きな名刺のような役割ですね。
その他にも、顧客にとって有益な情報をブログとして発信していくことで、自社の商品やサービスに関連するキーワードを検索した人が自社のホームページを訪れてくれるようにするSEO対策によって、集客する方法もあります。
これらの他、メルマガの配信やセミナーを開催して集客したりなどと、プロモーションの手段は様々あります。
やはりプロモーションの手段も、ターゲットと自社のウリを意識したSTP分析とつながっていることが大切です。
4Cとは
4Pに対応する考え方として4Cというものがあります。
これは、先ほどの4Pを顧客視点で言い換えたものです。こうなりますね。
うまく全部Cになりましたね。
4Pを考える際には、同時に4Cの視点でも考えてみると新たな気付きにつながることがあります。
商品については、顧客が価値を感じているものは何だろうかと考えます。先ほどお伝えした通り、単に商品だけでなくお店の空間や体験、その商品を使っていること自体がステータスだったりと、顧客にとっては別の価値を感じている場合があります。
価格については、顧客にとってはコストに当たります。提供している商品やサービスの価格は顧客にとってどれくらいの影響を与えるかという視点で考えます。ターゲットの年収だと、毎月支払える金額としては厳しそうだとか、ただしそれ以上の価値を感じてもらえるようにすれば支払うのではないか、など顧客の視点で検討が必要です。
流通は顧客にとっては利便性ですね。購入のしやすさ、決済のしやすさなどに不便を感じて購入を妨げることが無いよう顧客視点で考えてみることが必要です。
プロモーションは顧客にとっては会社とのコミュニケーションです。顧客の視点だと、どんな会社でどんな対応、どんな関係であればコミュニケーションを取りやすいか、取りたいと思えるかと考えることです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。4Pについて設定できそうですか。
はい!これまで分析したり考えてきたことを全部反映した4Pできそうです。
それは素晴らしいですね。
4Pは単独ではなく、これら全てのバランスが大切です。STP分析で決めたターゲットに響くか、自社のウリを十分発揮できるだろうか、と確認しながら設定し、一貫性をもたせて設定していきましょう。
今回で初心者向けのマーケティングの説明は最終回です。
完全に理解して、細かく決める必要はありません。まずできる範囲でやってみてください。そして必ず結果を確認して改善をしていくことが大切です。ぜひ実践してみてくださいね!
今回の4部作で出てきた解説の図と、書き込みできるフレームワークの資料が欲しい方はこちらからダウンロードして使ってください。